なかなかスイングしなくなってきたメジャー事情

久々トム・ベルドゥッチのコラムを読んでのメモ。以下のことは薬物時代を経過しての現在のベースボール事情があることは各人で解釈されたい。

ここ十年ほどでマネーボールの戦術はかなり浸透した。現地のスカウティングレポートを読んでるとよく”Plate Discipline”や”Patience”って言葉が出てくる。日本語でいうと選球眼が一番近い。ストライクゾーンを見極めて、辛抱強く甘い球を打つこと。ただアウトになるよりできるだけピッチャーに投げさせるのが美徳となってきた。球数制限があたりまえになっているメジャーなので重視するのは当然といえば当然。

だけどそのことを気にしすぎると消極的なバッターが増えることがマイナス。ベルドゥッチはいくつか例を挙げている。

一つ目の例としてナショナルズのジェイソン・ワースの例をあげている。チャンスでスリーボールナッシングからワースが併殺に倒れると、非難にあったこと。統計的にはもっとも打ちやすいカウントだが併殺なんて最悪の結果に終わると非難される。これってただの結果論だけど。個人的にもスリーボールから併殺ゴロだと憤慨する。ポイントはワースのような基本的に選球眼の良いバッターでも非難されることかも。

二つ目は初球のストライクをバッターがだんだん振らなくなってきていること。その代わりどんどん三振の数は増えてバッターの成績も下降しているのだからもっと積極的になるべきだというのも一利ある。

この初球ストライクを振らないという点に関しては打者次第という補足がある。打撃能力の高い打者の中にはわざと初球を振らない打者がいる。現役選手ではたとえばツインズのジョー・マウアーやレッドソックスのペドロイアがそう。ジョージ・ウィルの「野球術」においてもウェイド・ボッグスは初球ストライクをほとんど振らなかったと書かれている。特に彼らは一打席目のファーストストライクは振らない。先発投手のボールの軌道を確認しているのか?他に理由があるのか?定かではないがとにかく振らない。他のバッターも彼らのマネをはじめたのかもしれない。

忘れてはならないのが目的は点を取ること。状況によっては初球から積極的に打った方がよい場合もある。先発ピッチャーに球数を放らせて早く降板させるのは分かるとしても、リリーフピッチャーにまで同じ戦術をする必要はない。四球も多い、三振も多い、なかなか振らないという打者も珍しくなくなってきたけど、チャンスに見逃し三振というのはファンがもっとも嫌悪するシーンの一つなはず。

戦術的な面だけでなく、興行的な側面からも懸念すべきかもしれない。MLBはやや人気が下り坂になってきた。薬物時代を経て投手の時代といわれるが、ファンはだんだん時間がかかるだけの試合にうんざりはじめたのかもしれない。メジャーならやっぱりエキサイティングな方がいいよね。もちろん辛抱強くて点も取れるという、ハイレベルな打線は見応えがあるが、そろそろ変わった個性を持つチームが出てきてほしいところ。

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