全米のメディアマーケット(ランキング)

MLBのチームでは、オーナーの多くが放送局を所有していて、自分のチームの中継番組を制作している。
アメリカのテレビ視聴はケーブルテレビが主流らしく、各チームのチャンネルはローカルのケーブルテレビで放送される。
チームによってはケーブルテレビの標準チャンネルに組み込まれていて、無条件に視聴者から視聴料を回収できる仕組みとなっている。
これはMLB各球団の重要な収入源となっている。
視点を変えると、チームが本拠としている都市部のメディアマーケットの大きさが、チームの経済力に大きな影響を及ぼすということになる。
そのためMLBに関するサイトを見ていると、メディアマーケットに触れられることも良くある。
今日紹介するのはMLBの球団がある都市のメディアマーケットランキング。
参考にしたのはこちらのサイト
(順位はマーケットの順位。チーム横の数字は年俸総額の順位。)

ブルージェイズがあるトロントはカナダなのでここにはのっていなかったが、かなり大規模なはず。

フィラデルフィアと同じくらいかな?

2011年のドラフトオーダー(アップデート)

ストーブリーグが本格化する前に今年のドラフトオーダーを紹介しました。

その後タイプAフリーエージェントらの補償などで指名の順番に変更が生じましたがそれもFIXしたようです。

なのであらためて紹介します。

今回はドラフト1巡目と2巡目の間のいわゆるサンドイッチピックも加えてみました。

左の表が前回、右の表が今回のアップデート版です。

・34位以降がサンドイッチ指名分。()内が補償をもたらした選手名。
・7位のダイヤモンドバックス、10位のパドレス、15位のブルワーズは去年契約できなかった分の補償。
*1 タイガースがビクター・マルチネスと契約した分の補償
*2 ホワイトソックスがアダム・ダンと契約した分の補償
*3 レッドソックスがカール・クロフォードと契約した分の補償
*4 レンジャーズがエイドリアン・ベルトレーと契約した分の補償
*5 ヤンキースがラファエル・ソリアーノと契約した分の補償
*6 フィリーズがジェイソン・ワースと契約した分の補償

ドラフトの補償で得したのは?

FAのルールをうまく活躍したのはレッドソックスとレイズ。

明らかな結果ですね。

レッドソックスはこのオフ最も補強で成功したチームだが、プロスペクト獲得へも抜け目ない動き。

クロフォード獲得で24番目の指名権をレイズに譲りましたが、19番目と26番目の指名権をゲット。

40番目までに4回指名できることに。

エイドリアン・ゴンザレス獲得でトッププロスペクト3人の大放出ですが、早くも半年以内に穴埋めできるかもしれません。

レイズはなんと1巡目で9回の指名ができることになりましたね。

しかもハウプやクオルズなどさして戦力にならなかった選手から補償を生み出しました。

ヤンキース、レッドソックスとしばらく互角に戦えるかもしれません。

参稼報酬調停の仕組み

ダルビッシュの年俸5億円が話題になっていますね。

むしろその金額に対して涌井の年俸がどうなるのかという方が話題でしょうか?

二人ともまだ24歳。

以外かもしれませんがMLBでは24歳でそれほどの高額年俸を手にする選手はなかなかいません。

理由は二つあります。

一つは高卒ルーキーをいきなりメジャーに昇格させることがまずない。

22歳くらいまでは体作りをさせるのが通例となっています。

二つ目は今日書く調停権の影響です。(日本語では参稼報酬調停というのが正式の様です。)

調停制度の仕組み

MLBに昇格してから調停権を得るまで3年かかります。

正確にはメジャーリーグサービスタイムが3.000以上になれば調停を申請する権利を得ます。

(実際にはスーパー2という例外がある。)

調停権を得れば給料がかなり上がる可能性がありますが、それまでの3年間はMLBの最低年俸(40万ドル程度)くらいの給料となる場合がほとんどです。

それまでは、ほとんど球団が提示した金額に文句を付けられません。

早くても調停権を得るのは25,6歳くらいからなので、ダルビッシュの様に24歳で高給取りになる可能性は少ないというわけです。

調停権を得て実際に調停が行われるまでには下記のプロセスがあります。

・球団が選手にオファーを出す。
・選手が提示金額に合意できない。
・調停申請をする。
・両者が希望金額を提示する。
・調停人が両者からヒアリングを行う。
・調停人が裁定を下す。

調停では両者どちらかの希望額が選択されます。折衷案はありません。

調停人は選手側にもMLB機構側(オーナー側)にも属さない中立的な人物が務めます。

最近は調停申請まではたくさんされますが、実際に調停が行われることは少ないです。

調停が下されるタイミングが2月とシーズン間際に設定されているため選手側からすると準備に影響が出ます。

またどちらかの希望額という極端な結果になるのを避けるため、両方が歩み寄って契約が締結されることが多いと言われています。

選手はFAの資格を得るまで(6年の経験を積むまで)最低3回調停申請ができるシーズンがあります。

複数年契約を結んでしまえばもちろん毎年調停することも無いですが。

調停権獲得の起源

メジャーの選手会(MLBPA)は1970年に調停の権利をつかみました。

注意したいのはFA制度より歴史が古く、先に出来た制度であること。

詳しくはまた別の機会に書ければと思いますが、この調停の権利を得たことは重要で、のちのFA制度確立に大きな影響を与えたといえます。

この調停権を獲得させたのは当時の選手会長マービン・ミラー。

そして調停人として重要な裁定を下した人物にピーター・サイツがいます。

この二人は英語サイトでは良く目にしますのでそのうちまた触れたいですね。