ピッチャーの投球間隔

先日告知したデータはタイトルの通り、投球間隔に関するデータです。
投球間隔の長い投手だけでなく、短い投手のベスト20も記載されている。
やっぱりって感じだけどインターバルが長い選手はリリーバーの名前がずらり。
緊迫した場面で投げるのだからじっくり考えて投げてるのだろう。
一番長いのはラファエル・ベタンコートで31.3秒。
注目のパペルボンはやっぱり長くて第二位(30秒)。
長すぎて罰金を受けたことがあるくらいですから。
逆にインターバルが短い方は個々の選手というよりチーム毎の平均が興味深い。

アリーグ西地区は投球間隔が短い?
アスレチックス、ホワイトソックス、マリナーズの順で短かったが、
アリーグ西地区のアスレチックスとマリナーズが1位と3位。
この2球団はかなり投高打低のチームですね。
日本でも昔からピッチャーはテンポ良く投げることが大事と言われてきました。
かつての日本のエース、上原浩司投手は1時間59分で完投したこともありましたね。

投球間隔の長い、アリーグ東地区
一方でチーム平均のトップ3はレッドソックス、ヤンキース、レイズでアリーグ東地区で独占。
レッドソックスとヤンキースの試合は長いと有名だけどこれは間違いなく原因の一つでしょうね。
レイズはこの激戦地区でがんばっているのはいいけど、人気を上げるためにはテンポ改善したほうがいいのではと思う?
先日紹介した通り、アスレチックスの投手コーチ:カート・ヤングは来シーズンからレッドソックスのコーチになります。
最もテンポが良いチームから最もテンポの悪いチームに移るということ。
来シーズン終了後、レッドソックス投手陣の投球間隔が縮まるかどうか興味深い。
毎年紹介してほしい企画ですね。

詳細は↓↓↓の記事を参照ください。
ちなみにデータはランナーがいない時を測定したもの。牽制球の分はカウントしづらいため。

WARとは?

ここ数年よくWARという指標を目にするようになりました。

セイバーメトリシャンの中には最も重要な指標だと主張する人も。

Wins Above Replacementの略。

もしある選手が怪我をしてベンチやマイナーリーグの選手と交替しなくてはいけなくなったらどれだけ勝てなくなるか?

というのが主旨。

どこもWARっていうのは同じ呼び方をしているが各サイトによって算出方法は違っているみたい。

色々な人が競って精度を上げているんですね。

式はもう非常に複雑で紹介できないけれど、簡単に紹介します。

野手向けには、

wRAA+UZR みたいに算出する。

wRAAというのも馴染みが薄いが簡単にいえば平均よりどれだけ得点を生み出すか?

UZRは平均よりどれだけ失点を防ぐか?

つまりどちらも示されるのは得点ですね。

wRAA+UZRで示される得点値を10で割ったものがWAR。

投手向けにはFIPを元にパークファクターなど様々な要素を調整して算出しているという。

こっちは複雑すぎてそれ以上は書けない。

投手も野手も同じ数値で表現されるから究極的、

かつ打率や本塁打、打点などこれまでみたいに様々な指標を考慮する必要性のない包括的な指標であるという。

まるで投資顧問が自分の開発したツールだけ使えばいくらでも株で儲けられますよ、と言ってるのに似てる気がしますね。

でも自分も含めセイバーメトリクスが好きなファンは色々な指標を見比べながら選手を比較したりチームの戦力を占ったりするプロセスが楽しいのではないかと思うのだが・・・

数値は実際いわれている価値に近づいていると感じられてかなり参考になる。

このブログでも少しづつ使用してこうと思いますね。

ゴールドグラブ賞とフィールディングバイブル賞

ちょっと時間が経った話題になるけど、ゴールドグラブ賞にジーターが選ばれたことに対してまたしても議論になっていますね。

何年も前からセイバーメトリシャンによってジーターの守備が良くないことは指摘されてきた。

ゴールドグラブ賞の選出にも少なからず影響を及ぼしているとは感じているが、

いまさらジーターが受賞してしまったことで衝撃が走ったんでしょう。

ところで今年のフィールディングバイブル受賞者は下記の通り

1B    ダリック・バートン(アスレチックス)

2B    チェース・アトリー(フィリーズ)

3B    エバン・ロンゴリア(レイズ)

SS    トロイ・トゥロイツキー(ロッキーズ)

LF    ブレット・ガートーナー(ヤンキース)

CF    マイケル・ボーン(アストロズ)

RF    イチロー・スズキ(マリナーズ)

C    ヤディアー・モリーナ(カージナルス)

P    マーク・バーリー(ホワイトソックス)

以前紹介したダリック・バートンも初受賞ですね。

ゴールドグラブ賞

投票するのは各チームの監督とコーチで自分のいるチームの選手には投票できないことになっている。

各リーグの各ポジションから選ばれる。

正式名称はローリングス・ゴールドグラブ賞。

ローリングというのはこの賞の主催会社でスポーツ用品メーカー。

受賞者には名前の通り、金のグローブをあしらったトロフィーが授与される。

アカデミーのオスカー像みたいでおめでたい賞品ですね。

フィールディングバイブル賞

ビル・ジェームズやジョン・デュワンなど10人の野球評論家の投票によって選ばれる。

両リーグから各ポジションひとりだけ。(ゴールドグラブの半分しか受賞者がいない)

ジョン・デュワンはプラスマイナスシステムなどの考案者で守備を統計的に分析するセイバーメトリシャンですね。

対照的な二つの賞

投票者がまったく異なる。

ゴールドグラブは監督とコーチの投票で決まるけれど、自分のチーム意外の選手の守備をそんなに見る機会ってあるのかな?

片方は印象ばかりで決められ、片方は分析に基づこうとする。

ジーター本人はセイバーメトリシャンからけちょんけちょんに言われたことは大して気にしていないでしょう。

そんな小さい男じゃないしますます練習に励みそうだもん。

むしろ投票している監督やコーチは自分の目が節穴みたいに言われた気がしてるかもしれない。

ある意味この二つの賞は闘いだよね。

別にどっちが良い賞かを議論したいわけでは無く、どちらの賞もこれからも続けてほしい。

でもフィールディングバイブルのおかげでバートンみたいな選手が注目を受ける機会を当たえられることがすばらしいと思う。