本日11/30日は、年俸調停申請をされたFA選手が調停を受けるか拒否するかを決める期限日。
※調停申請の状況はこちらにまとめたので参考にしてください。
今後の移籍動向や来年のドラフトに向けて関係してきますので、改めてルールなどを見返してみました。
・FAになった選手に対し、球団は調停申請をすることができる。
・タイプAもしくはタイプBのFA選手が調停を拒否して別球団に移籍すれば、元の球団は補償としてサンドイッチピック(一巡目と二巡目の間の指名権)を得ることができる。
・逆に球団側が年俸調停申請をしなければ、選手を失っても補償を得ることはできない。
・またタイプAのFA選手を失えば獲得球団からドラフト一巡目指名権が譲渡される。
・前年の勝率が下から15番目までの球団は、ドラフト一巡目指名権が保護されるため、タイプAの選手を獲得したら二巡目指名権を譲渡することになる。
・FA選手が調停申請を受諾した場合、両者は一年契約を結ぶことになる。
・ある球団が二人以上のタイプAのFA選手を獲得した場合、エライアスのポイントが高い選手を失った球団が一巡目指名権を獲得し、他の球団は二巡目以降の指名権を獲得する。
(たとえばタイガースはすでにビクター・マルチネスを獲得して一巡目指名権をレッドソックスに譲渡した形になっています。この先タイガースがジェイソン・ワースを獲得した場合、ワースはマルチネスよりエライアスポイントが高いため、一巡目指名権はフィリーズに譲渡され、レッドソックスはタイガースの二巡目指名権を獲得する。)
※ドラフトの指名順位は以前、記事にしたのでこちら参照ください(変動しますがまた更新する予定です)。
実際の傾向
実際に球団が調停を申し立てるかどうかは残留してほしいかどうかだけでなく、ビジネス上の問題が存在する。
選手は現在の年俸の八割か、その前のシーズンの七割の年俸が保証される。
残留してほしくても、上記以下の金額で残留させたければ申請されない。
また調停は選手有利といわれているため高額年俸がネックになって調停受諾を恐れるため、球団が申請しない場合もある。
選手側の希望が残留でも、調停を受ければ一年契約しか結べないため、将来的な安心を求めて複数年契約が希望であれば拒否することになる。
逆に選手の直近の成績が悪くてFA市場では価値が下がると思えば、調停を受けて一年契約するケースがある。
来シーズン頑張って自分の価値を上げてからまた来年FAになれば、年俸が高くなってから複数年契約を狙うのは賢い選択になりうる。
たとえば去年ブレーブスは守護神ラファエル・ソリアーノと契約する意思はなかったが、ドラフトの補償を求めて調停申請した。
しかしソリアーノが受諾してしまったから補償はなし。
すでにビリー・ワグナーをFAで獲得してドラ一をレッドソックスに譲渡したあとだったからブレーブスの思惑は外れ、ドラフト一巡目指名権が一つも無くなってしまった。
球団側は選手の契約希望年数や希望年俸などを伺いながら調停するかどうかを決める必要があります。
逆に選手側は自分がタイプAであればそれが移籍先の負担になって価値が下がる可能性があるため、自分に得かどうかを見極めないといけません。
選手の選択が今日決定して始めて価値が決まるともいえます。
恐らく12月に入ると球団の方は積極的に動いてどんどん契約がまとまっていくはず。