どうなる?レッドソックスの打順。クロフォード加入の影響は?

レッドソックスのカール・クロフォード獲得は、衝撃だった。

エイドリアン・ゴンザレス獲得直後だったこともあるが、ボストンのターゲットは右打ちの外野手で、左打ちのクロフォード獲得はないだろう(エイドリアンも左打者)という予想をされていたから余計に驚かされた。

ほとんどの記者はクロフォード獲得に肯定的だし、ボストンの攻撃力が上がったのは間違いない。

しかしすでにスタメンの実力を持つ選手に影響が出てしまう問題がある。

ボストンには、クロフォードと同じように得点を稼げる選手が二人いる。

つまりエルズベリーとペドロイアとあわせた三人の役割をどうするかという問題だ。

クロフォード自身はリードオフの役割より2番、3番を打つことを好むことで知られている。

実際に2010年のレイズでは、2番が最も多く3番でも200打席以上立っている。

クロフォードのボストン加入が決まってから1ヶ月、クロフォード3番を唱える記者は多い。

しかし私からすると論外な意見だ。

チームの中で攻撃力の高い選手に3,4番を打たせるのが効率が良い。

2011年の年俸はクロフォードの方が高いが、攻撃力という点ではユーキリスとエイドリアン・ゴンザレスの方が遥かに高い。

彼らのいずれかを5番に下げるのはもったいない。

また、出塁率の観点からもクロフォード3番は避けるべきである。

クロフォードの去年の出塁率は.356.

ユークとAゴンは恐らく.400程度で、この差は大きい。

二人のどちらかを5番にしてしまうことは対戦相手にアウトを取りやすくしてしまうことになる。

出塁率を重視するエプスティーンGMがそんなことを許すとは思えない。

個人的に下記の打順がベストだと考える。
1番 ペドロイア
2番 クロフォード
3番 ユーキリス
4番 エイドリアン・ゴンザレス
5番 オルティーズ
9番 エルズベリー

シンプルに優れた打者4人で4番まで構成するだけ。

エイドリアン・ゴンザレスとの勝負を避けられないためにユークをプロテクトさせるという考えもありだが、

そこはAゴン自身が4番を打つほうがチームのためという下記コメントを優先させてみた。

「僕は足が遅くて塁をつまらせるから4番の方がいい。」

これだけの打者を並べられるから足の影響は大して無いような気もするが・・・

確かにユークのほうがずっと走塁は良さそうだ。

(ちなみにゴンザレスが言った打順は3番クロフォードで5番ユークだったんですが。)

さてどうする?契約最終年のフランコーナ監督!?

ツインズの本拠ターゲット・フィールド②-パーク・ファクター

また西岡選手が所属するツインズに関して書くのですが、実は10年ほど前にツインズは削減候補になったことがある。

モントリオール・エクスポズがナショナルズへと変わる一連の事件とあわせてツインズも消滅させようという話だった。

先日書いた通り、ツインズは不人気だったんだけどこれは現MLBコミッショナー、セリグの策略だった言われる。

セリグはブルワーズの元オーナーだったが、ブルワーズがあるウィスコンシン州とツインズのミネソタ州は隣同士。

ツインズが無くなればブルワーズの市場が拡大して収入が増えることが見込まれる。

疑うのも納得できますね。

ところでMLBの球場はNPB以上に特徴に差がある。

ツインズのターゲット・フィールドは去年もっともホームランが出にくかったというデータが出た。

パーク・ファクターは一年だけで結論を出すのは早いと思うが、これからも決してホームランが出やすい球場にはならないと感じる。

まず第一に寒冷地に位置しているから、春先やプレーオフ前など気温が上がりにくい季節は打球が飛ばないはず。

それに右翼の壁が結構高いので打者心理に影響が出るのではないか。

西岡選手はNPBでもホームランを量産する選手では無かったけど、ツインズではさらにホームランを放つ機会は減ると思う。

ただし、ホームラン以外はそれほど打者に不利というわけでも無いようで、特に三塁打は比較的出やすいという2010年だった。

加速はそれほどではないけどトップスピードはメジャーでもトップクラスといわれているだけに、西岡選手にはたくさん三塁打を打ってほしいところ。

参稼報酬調停の仕組み

ダルビッシュの年俸5億円が話題になっていますね。

むしろその金額に対して涌井の年俸がどうなるのかという方が話題でしょうか?

二人ともまだ24歳。

以外かもしれませんがMLBでは24歳でそれほどの高額年俸を手にする選手はなかなかいません。

理由は二つあります。

一つは高卒ルーキーをいきなりメジャーに昇格させることがまずない。

22歳くらいまでは体作りをさせるのが通例となっています。

二つ目は今日書く調停権の影響です。(日本語では参稼報酬調停というのが正式の様です。)

調停制度の仕組み

MLBに昇格してから調停権を得るまで3年かかります。

正確にはメジャーリーグサービスタイムが3.000以上になれば調停を申請する権利を得ます。

(実際にはスーパー2という例外がある。)

調停権を得れば給料がかなり上がる可能性がありますが、それまでの3年間はMLBの最低年俸(40万ドル程度)くらいの給料となる場合がほとんどです。

それまでは、ほとんど球団が提示した金額に文句を付けられません。

早くても調停権を得るのは25,6歳くらいからなので、ダルビッシュの様に24歳で高給取りになる可能性は少ないというわけです。

調停権を得て実際に調停が行われるまでには下記のプロセスがあります。

・球団が選手にオファーを出す。
・選手が提示金額に合意できない。
・調停申請をする。
・両者が希望金額を提示する。
・調停人が両者からヒアリングを行う。
・調停人が裁定を下す。

調停では両者どちらかの希望額が選択されます。折衷案はありません。

調停人は選手側にもMLB機構側(オーナー側)にも属さない中立的な人物が務めます。

最近は調停申請まではたくさんされますが、実際に調停が行われることは少ないです。

調停が下されるタイミングが2月とシーズン間際に設定されているため選手側からすると準備に影響が出ます。

またどちらかの希望額という極端な結果になるのを避けるため、両方が歩み寄って契約が締結されることが多いと言われています。

選手はFAの資格を得るまで(6年の経験を積むまで)最低3回調停申請ができるシーズンがあります。

複数年契約を結んでしまえばもちろん毎年調停することも無いですが。

調停権獲得の起源

メジャーの選手会(MLBPA)は1970年に調停の権利をつかみました。

注意したいのはFA制度より歴史が古く、先に出来た制度であること。

詳しくはまた別の機会に書ければと思いますが、この調停の権利を得たことは重要で、のちのFA制度確立に大きな影響を与えたといえます。

この調停権を獲得させたのは当時の選手会長マービン・ミラー。

そして調停人として重要な裁定を下した人物にピーター・サイツがいます。

この二人は英語サイトでは良く目にしますのでそのうちまた触れたいですね。

ツインズの本拠ターゲット・フィールド①

ツインズは2010年から新しいスタジアムを本拠にしている。

2009年まではメトロドームと呼ばれるドーム球場が本拠地だったが、新球場のターゲットフィールドは屋外のスタジアム。

このスタジアム移転は、ベースボールは外でやるべきという流れに沿っていますね。

アストロズも2000年から屋外の球場に変更しました。

真のスタジアム移転の理由は観客動員にある。

スタジアムを新しくすれば動員が増えるという通説にあやかったこともあるでしょう。

実際に最近はプレーオフの常連だったツインズだけど、メトロドーム時代はいつも外野がガラガラだった印象がある。

で新球場の効果は以前のブログ にも書いた通りの大成功。

客席はファンで埋めつくされました。

元々ミネソタは寒いからドームにしたらしいですが、寒さなんかどこ吹く風の人気っぷり。

実はメトロドーム時代も2000年から2009年にかけて倍以上増えていたんだけど、移転の効果は絶大ですね。

西岡選手は満員の観客を魅了できるでしょうか?

ツインズの本拠地ミネソタ

西岡選手が所属するツインズのスタジアムに関して調べていたら、そもそもミネソタがどこかも知らないので寄り道。

アメリカ中部にあって、寒そうだから北のほうかなという程度。

アメリカ中部というとシカゴとデトロイトくらいしか知らないけど結構MLBの球団がありますよね。

まずはチーム名のついているミネソタ州の位置から。

でも他の州との位置関係が分からないので理解が深まらず・・・・・・

五大湖の周辺だけどせめて他の球団との位置関係くらいはそのうち把握したいですね。

で、本拠地があるのはミネアポリスという都市。

ミネアポリスは日本人にはあまり馴染みないですよね。

人口は40万人に満たない。鹿児島市より小さいのではないか・・・・・・

以前紹介したレンジャーズのアーリントンと似ているが、すぐ東に隣接するセントポールなどの都市と都市圏を形成している。

都市圏では300万人くらいの人口があるそうです。なかなかですね。

全米でのメディアマーケットの中では第15位。

ところでミネアポリスとセントポールをあわせて「ツイン・シティ」と呼んでいるらしいです。

なるほどだからツインズなんですね。

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ところで2010年からスタジアムがターゲットフィールドになりましたが、ターゲットというのはミネアポリスに本社を置く大規模小売チェーンのターゲット社の名前です。

それではまた

全米野球記者協会、BBWAAとは?

殿堂入りの選手を決めている全米野球記者協会。

むこうではBBWAAと表記されますが、

The Baseball Writers’ Association of America

の略だそうです。

設立は1908年なので100年以上の歴史がありますね。

新聞 、雑誌、ウェブサイトなどの野球記者で組織された団体。

テレビのコメンテーターなどは所属できないらしい。

この辺は記者=物書きというプライドの表れでしょうか?

殿堂入り選手をきめることに関係はない気がしますが・・・

実際、ウェブの記者が入会できないことにかつて議論になったようで、認められたのは2007年からとのこと。

BBWAAに十年以上在籍した記者だけが殿堂入りの投票権を得ることができます。

名前から推測される通りMLB機構や各球団と仕事をするのが一番の目的。

クラブハウスへの立ち入りの権利を保証されたりしていますから、どうしてもMLBの経営者たちの影響を受けてしまいますね。

BBWAAは殿堂入り選手の選出の他にも、最優秀選手 (MVP) 、サイ・ヤング賞、最優秀新人選手、最優秀監督を投票によって選出しています。

MLBの殿堂入り選手が発表

今年の殿堂入り選手が発表になりました。

見事殿堂入りが決まったのはロベルト・アロマーとブライルベン。

ロベルト・アロマーは資格取得後二年目でつい7年前まで現役だったから覚えている方が多いかもしれません。

ブライルベンは資格取得14年目での殿堂入り。

元ツインズやインディアンズで活躍した先発投手らしいです。

ところで殿堂入りの候補となるには引退後五年が経過していることが条件。

75%以上の得票で殿堂入りが決定します。

また前年の投票で5%以上得票していれば再度候補になれますが、15年しか権利がない様です。

投票をするのは全米野球記者協会に所属する記者たち。それでは今年の投票結果をMLB.comから抜粋。(元の記事はこちら

バリー・ラーキンはあと一歩といったところでしょうか?

来年候補の権利を得る人の顔ぶれにもよりますが、かなりチャンスはありそうです。

ケビン・ブラウンは早くも資格を失いました。

やっぱり気になるのは薬物疑惑の選手たち。

マグワイア、パルメイロ、ホアン・ゴンザレスらは表が伸びませんね。

マグワイアが薬物を使用していたことは誰もが知っていたはずなのに。

あれだけ騒がれましたがその後の記者とファンの変わりようはなんとも極端で興味深い。

10年以内に殿堂入りできるでしょうか?

そのためにはみんなの記憶が薄れる必要がありますね。

ツインズの動きのなさが気になる。

西岡選手の新天地となるミネソタ・ツインズ。

最近はプレーオフの常連だけど日本での知名度は低かったと思う。

実はマイケル中村が以前所属してはいたらしいけど知らなかった。

アメリカンリーグ中地区というと2005年の井口が所属したホワイトソックスの成功が思い起こされます。

当時の井口選手のように西岡もポストシーズンで活躍してほしいけど、このオフの動きが驚くほど少ない。

メジャー契約した新戦力はなんと西岡だけ。

逆に放出した主力の方が多い現状。

今年エース級の活躍をしてFAとなったパバーノの残留が最大の課題とされるが、たとえ残留させることができたとしても放出選手たちが多いので戦力ダウンとなる見込み。

同地区ライバルのホワイトソックスとタイガースが積極的に動いただけにこのまま開幕を迎えるのはちょっと心配。

個人的にはツインズはALセントラルの中では興味ある球団だったので詳しく調べてみようかな・・・

あけましておめでとうございます。

あっというまに2010年も終わってしまいましたね。

このオフシーズンは驚きの連続でしたがMLBはクリスマスあたりから市場の方も小休止といったところでしょうか?

日本でのこのシーズンはやっぱり箱根駅伝が楽しみですね。

久々に路上まで観戦に行こうかと思ってます。

さてMLBの方は年末ほどのビッグニュースが流れる可能性は少ないような気もしますが、

まだラファエル・ソリアーノやエイドリアン・ベルトレーなど有力選手がFAに残っていますね。

でも彼らの行き先よりヤンキースの開幕ロースターがどうなってるのかの方が気になりますが・・・・・・

ますます面白くなりそうなMLB。

今年もできるだけ更新していきたいと思いますので本年もよろしくお願いいたします。

管理人Wigecko