参稼報酬調停の仕組み

ダルビッシュの年俸5億円が話題になっていますね。

むしろその金額に対して涌井の年俸がどうなるのかという方が話題でしょうか?

二人ともまだ24歳。

以外かもしれませんがMLBでは24歳でそれほどの高額年俸を手にする選手はなかなかいません。

理由は二つあります。

一つは高卒ルーキーをいきなりメジャーに昇格させることがまずない。

22歳くらいまでは体作りをさせるのが通例となっています。

二つ目は今日書く調停権の影響です。(日本語では参稼報酬調停というのが正式の様です。)

調停制度の仕組み

MLBに昇格してから調停権を得るまで3年かかります。

正確にはメジャーリーグサービスタイムが3.000以上になれば調停を申請する権利を得ます。

(実際にはスーパー2という例外がある。)

調停権を得れば給料がかなり上がる可能性がありますが、それまでの3年間はMLBの最低年俸(40万ドル程度)くらいの給料となる場合がほとんどです。

それまでは、ほとんど球団が提示した金額に文句を付けられません。

早くても調停権を得るのは25,6歳くらいからなので、ダルビッシュの様に24歳で高給取りになる可能性は少ないというわけです。

調停権を得て実際に調停が行われるまでには下記のプロセスがあります。

・球団が選手にオファーを出す。
・選手が提示金額に合意できない。
・調停申請をする。
・両者が希望金額を提示する。
・調停人が両者からヒアリングを行う。
・調停人が裁定を下す。

調停では両者どちらかの希望額が選択されます。折衷案はありません。

調停人は選手側にもMLB機構側(オーナー側)にも属さない中立的な人物が務めます。

最近は調停申請まではたくさんされますが、実際に調停が行われることは少ないです。

調停が下されるタイミングが2月とシーズン間際に設定されているため選手側からすると準備に影響が出ます。

またどちらかの希望額という極端な結果になるのを避けるため、両方が歩み寄って契約が締結されることが多いと言われています。

選手はFAの資格を得るまで(6年の経験を積むまで)最低3回調停申請ができるシーズンがあります。

複数年契約を結んでしまえばもちろん毎年調停することも無いですが。

調停権獲得の起源

メジャーの選手会(MLBPA)は1970年に調停の権利をつかみました。

注意したいのはFA制度より歴史が古く、先に出来た制度であること。

詳しくはまた別の機会に書ければと思いますが、この調停の権利を得たことは重要で、のちのFA制度確立に大きな影響を与えたといえます。

この調停権を獲得させたのは当時の選手会長マービン・ミラー。

そして調停人として重要な裁定を下した人物にピーター・サイツがいます。

この二人は英語サイトでは良く目にしますのでそのうちまた触れたいですね。