セイバーメトリクスは様々な新しい指標を生み出しているが、BABIPも目にすることが多くなってきた指標のひとつだ。雑誌のSluggerで見かけることも増えたし、英語のブログサイトでもよく使用される。
BABIP とは、Batting Average on Balls In Play の略。インプレー打率と訳されることもあるようだが、これでは逆に理解しづらくなると思う。そのままBABIPが良いと感じる。インプレーと いってもホームランが除かれていることに注意が必要だ。
計算式は概ね
(H-HR)÷(AB-K-HR+SF)が使用 される。
※SFはSac Fly犠飛のこと。
見てのとおり、セイバーメトリクス前史から記録されてきた指標を使って計算することが可能。日本のプロ野球でだって過去の統計資料から算出することができそうだ。
打率がベースではあるが、元々はピッチャーを考察するために生まれた指標だという。ヴォロス・マクラッケンの「投手は打球の結果をコントロールできない」との仮説を基にできた指標らしい。通説をひっくり返してしまうような仮説であるが、その後のデータ検証により、ビル・ジェームズらからも信頼を得てるようだ。
これからさらにBABIP は広まると思うのだが、その理由は二つ。
第一に、実際に選手たちの統計の平均をとると生涯でのBABIP にあまり差がでないため、比較しやすい。
もう一つは、その平均値が三割程度となっており、使い勝手が非常に良い。OPSが広まったのもわかりやすい数値で比較できることが理由の一つだと思われる。
BABIPの有効性に関しては別途検討するとして、年毎にブレは発生しても、複数年の平均値をとるとどの選手も三割程度に落ち着くのだ。
実際にこの指標が使われるケースは下記のような具合だ。
「BABIP が低いからその選手の来年の成績は悪化するはずだ」とか、逆に「BABIPが高くてアンラッキーだから来年は持ち直すだろう」とか。
計算式の意味することや、実際の選手たちにあてはめた場合など、また別の機会に検証していきたいところ。