リベラおめでとう!セーブ数の新記録を樹立!

ヤンキースのマリアーノ・リベラが見事MLB新記録となる602セーブ目を達成。以前からも実力的には史上最高のクローザー(現役最高のピッチャーだとも私は感じている)と呼ばれていましたが、これで名実ともに史上最高のクローザーとなりました。オフには42歳になりますが、球のキレはまだまだやれそうな感じ。700セーブまで投げてほしいです。

昨オフにはレッドソックスがヤンキース以上の金額をオファーして契約寸前までいったようですが、エプスティーンが獲得に動いたのも納得(ヤンキースの支払いを増やす目的もあったといわれていますがね)。ピッチングフォームが若干似ているダニエル・バードの師となっていたら面白かったなとも感じますが、やっぱりヤンキースで達成できてよかった。シーズン終わったらもっとリベラのこと書きたいですね。

ウェイクフィールドの偉業を振り返る

先日、通算200勝を達成したウェイクフィールド。わずか67マイル(約108キロ)程度のボールを操る彼には日本でもファンが多く、喜んだ方も多かったに違いない。7/24に199勝目を挙げて依頼、2ヶ月近い大変な難産となったが、これまでの道のりを簡単に振り返ってみようと思う。

出身はフロリダ州のメルボルンという場所。1966年8月2日生の彼はすでに45歳(44歳で達成するチャンスも何度かありましたね)。
ドラフトされたのは1988年でドラフト8巡目(全体200位)でピッツバーグ・パイレーツから指名されました。学生のころは1塁手でたくさんホームランを打ったそうです。もちろんプロ入り時も1塁手でしたが、プロのレベルに適応できなかったところ、キャッチボール中ふざけてナックルボールを投げていたところをコーチに買われたのをきっかけに投手転向することになりました。

メジャーに昇格したのは1992年でパイレーツのプレーオフ進出に貢献するも、1995年には解雇されてしまいます。すぐにレッドソックスに拾われて同年カムバック。以来ずっとメジャー有数の強豪であるレッドソックスで勝ち星を積み上げて来ました。200勝達成までに20年近い年月をかけていますが、途中クローザーを任されたりとチーム事情にも協力しながら積み上げたところを評価したいですね。

チームは優勝争いをしている中、なかなか200勝を達成できず、どんどんプレッシャーが大きくなっていたことでしょう。先述の通り、チームのためにクローザーなど様々な役割をこなしてきただけに余計に責任を感じていたはず。達成した試合も味方がリードしては逆転ホームランをゆるすヒヤヒヤの展開でしたが、結果は大勝で記念勝利を祝うかたちになりました。達成の仕方がなんともボストンらしかった。

最も多く勝ち星をあげたのは1998年と2007年。パイレーツで14勝。レッドソックスで186勝。

BABIPが広まる理由

セイバーメトリクスは様々な新しい指標を生み出しているが、BABIPも目にすることが多くなってきた指標のひとつだ。雑誌のSluggerで見かけることも増えたし、英語のブログサイトでもよく使用される。

BABIP とは、Batting Average on Balls In Play の略。インプレー打率と訳されることもあるようだが、これでは逆に理解しづらくなると思う。そのままBABIPが良いと感じる。インプレーと いってもホームランが除かれていることに注意が必要だ。

計算式は概ね
(H-HR)÷(AB-K-HR+SF)が使用 される。
※SFはSac Fly犠飛のこと。
見てのとおり、セイバーメトリクス前史から記録されてきた指標を使って計算することが可能。日本のプロ野球でだって過去の統計資料から算出することができそうだ。

打率がベースではあるが、元々はピッチャーを考察するために生まれた指標だという。ヴォロス・マクラッケンの「投手は打球の結果をコントロールできない」との仮説を基にできた指標らしい。通説をひっくり返してしまうような仮説であるが、その後のデータ検証により、ビル・ジェームズらからも信頼を得てるようだ。

これからさらにBABIP は広まると思うのだが、その理由は二つ。
第一に、実際に選手たちの統計の平均をとると生涯でのBABIP にあまり差がでないため、比較しやすい。
もう一つは、その平均値が三割程度となっており、使い勝手が非常に良い。OPSが広まったのもわかりやすい数値で比較できることが理由の一つだと思われる。
BABIPの有効性に関しては別途検討するとして、年毎にブレは発生しても、複数年の平均値をとるとどの選手も三割程度に落ち着くのだ。
実際にこの指標が使われるケースは下記のような具合だ。
「BABIP が低いからその選手の来年の成績は悪化するはずだ」とか、逆に「BABIPが高くてアンラッキーだから来年は持ち直すだろう」とか。

計算式の意味することや、実際の選手たちにあてはめた場合など、また別の機会に検証していきたいところ。