FA選手の年俸調停はどうなった?

Twitterで告知したとおりFA選手への調停の状況まとめを載せます。選手名の右横に結果を示しています。
◎が調停申請
×は調停拒否
ーはすでに来年以降の契約済
※は調停申請の必要が無い選手。

フィリーズ
ロイ・オズワルト ×
ブラッド・リッジ ×
ラウール・イバネス ◎
ライアン・マドソン ◎
ジミー・ロリンズ ◎

メッツ
ホゼ・レイエス ◎

ブレーブス
アレックス・ゴンザレス ×

パイレーツ
デレク・リー ◎
ライアン・ラドウィック ×
クリス・シュナイダー ×
ライアン・ドゥミット -

カブス
カルロス・ペーニャ ◎
アラミス・ラミレス ◎
ケリー・ウッド ×

カーディナルス
エドウィン・ジャクソン ◎
アルバート・プホールズ ◎
ラファエル・ファーカル ×
アーサー・ローズ ×
オクタビオ・ドーテル ※

ブリュワーズ
プリンス・フィルダー ◎
フランシスコ・ロドリゲス ◎
ユニエスキー・ベタンコート ×
タカシ・サイトー ×
(斎藤には契約上調停できない。)

レッズ
フランシスコ・コルデロ ※
ラモン・ヘルナンデス ※

アストロズ
クリント・バームス -

ジャイアンツ
パット・バーレル ×
コーディ・ロス ×
カルロス・ベルトラン ×
(ベルトランには契約上調停できない。)

ドジャース
ヒロキ・クロダ ×
ロッド・バラハス -

パドレス
ヒース・ベル ◎
アーロン・ハラング ◎

ロッキーズ
マーク・エリス ー

レッドソックス
デビッド・オーティズ ◎
ダン・ウィーラー ◎
ジェイソン・バリテック ×
ジョナサン・パペルボン ー

ヤンキース
フレディー・ガルシア ◎

オリオールズ
ヴラジミール・ゲレーロ ×

ブルージェイズ
フランク・フランシスコ ◎
ケリー・ジョンソン ◎
ホゼ・モリーナ ◎
ジョン・ラウチ ◎
ショーン・キャンプ ×
ツインズマイケル・カダイヤー ◎
ジェイソン・クーベル ◎
マット・キャップス ※

ロイヤルズ
ブルース・チェン -

ホワイトソックス
マーク・バーリー ◎
ホアン・ピエール ×

アスレチックス
デビッド・デヘスース ◎
ジョシュ・ウィリンガム ◎

レンジャーズ
C・J・ウィルソン ◎
ダレン・オリバー ※

タイガースの情報だけはまだ入ってきてません。

新労使協定を早速チェックしよう!!

選手協会とMLB機構の新しい労使協定(CBA=Collective Bargaining Agreement)が無事合意されました。NBAみたいにロックアウトも起こらず良かったです。1994年の史上最悪のストライキが起きてから20年以上平和な期間がもたらされる見込みとなります。結構ルールの変更がありました。ストーブリーグ好きの方は要チェック!!今回の契約は2016年12月1日まで。主な内容をまとめておきます。公開されているSummaryはこちら

◆2013年のポストシーズンからワイルドカードのチームが2チーム拡張される。各リーグで地区優勝できなかったチームのうち、成績の良かった2チームがワンゲームプレーオフを争う(つまり地区3位でも可能性があるわけだ)。2012年のポストシーズンからワイルドカードを拡張するかどうかは、このオフの3/1までに決定する。
◆ヒューストン・アストロズは2013年からアメリカンリーグ西地区に遷る(これまではナショナルリーグ中地区)。
◆各リーグ15チームずつになるので年間を通して交流戦が行われることとなる。
◆イライアスランキングの廃止。タイプA、タイプBフリーエージェントの仕組みも変わることに。
◇ドラフト補償をもたらす選手は以下の条件となる。
・シーズン通して同じ球団にいた選手。(つまり、シーズン途中で獲得した選手は補償をもたらさないということになる)
・前所属球団が、年俸上位125番以内の選手たちの平均年俸以上のオファーをした場合。(今年なら大体$12MMだそうです。)
※ワールドシリーズ終了から5日以内にオファーする必要がある。
◆補償資格を持つFA選手と契約した球団はドラフト1巡目指名権を失う。ロックされるのが全体15位までから全体10位以内の指名権を持つ球団までに変更。
◆スーパー2の資格者が全体の17%から22%に増加。
◆2012年から最低年俸が$480,000に増加。2013年は$490,000、2014年は$500,000へ。2015年と2016年に関しては調整。
◆ドラフト選手の契約期限が早まり7月中旬に。7月末のトレード期限に前年のドラフト選手をトレード可能になった。
◆ドラフト選手やインターナショナルFA選手への契約金への制限が厳しくなり、罰則が設けられることになる。
大規模マーケットの球団に若干有利になるような気がします。今後のチームの補強にどう影響が出るか気になりますね。

キューバの怪物。ヨエニス・セスペデス

そろそろストーブリーグも本格化してくるはずだが、最近注目になっているのが間もなくインターナショナルFAとなるキューバ人、ヨエニス・セスペデス・ミラネス。今年のFA市場には内野手の大物がたくさんいるが、外野手は手薄。セスペデスはベルトラン並みの人気になるかもしれない。

ファンの間でもYouTubeの動画が話題になっている。プレーやトレーニングが十五分程度紹介されているビデオを観るとまさに怪物といった印象を受ける。

スイングスピードは素晴らしく、バチンと当てて逆方向に飛ばすのはソーサを彷彿とさせる。肩も強いし守備も嫌いじゃなさそう。イチローみたいにバックハンドでキャッチする様子がビデオで観れる。

メジャーでは身体能力の以外にも選球眼が重要になるが、キューバでは四球もそれなりに選んでいたようだ。上体がブレないスイングなのですんなりメジャーに定着しそうな気がする。

契約をまとめるには$50Mほどの金額が必要になるといわれるがどこの球団が獲得するか?ダルビッシュや岩隈と合わせてこのオフはインターナショナルFA市場も熱い。

黒田の四年間

メジャー残留を決めてくれれば人気銘柄になりそうな黒田。彼の四年間の成績をこちらのサイトで分析されています。
毎年非常に安定した成績を残していることがデータからも読み取れるのでチェックしてみてください。この四年間、100試合以上先発した投手は62人いるが、防御率は16番目、ゴロ率12番目。とりわけ四球をだした数に関しては7番目という素晴らしい成績を残しています。これだけ安定したコントロールを持っていればどこでも通用できるはず。これまでいたドジャースの本拠地は投手有利な球場。その点が気になったのでホームとアウェイのに分けて防御率を調べてみた。
左から年度、ホーム、アウェイの順番に数字を並べてみます。

2011 3.27 2.85
2010 3.10 3.80
2009 4.03 3.55
2008 3.68 3.78

特にどちらかに数字が偏っていることはないようです。ナリーグ西地区はもっと投手フレンドリーなジャイアンツやパドレスの球場があったので、ディビジョンをうつれば多少成績は下降するかもしれませんが、充分やれると読んでます。
黒田、頼む、メジャーに残っておくれよ。

レンジャーズ、ホランドの成長

来年はレンジャーズのエースになるかもしれない?若き左腕、ホランドについて、Baseball Analyticsに興味深いデータが乗っていました。
それはシーズン中にどんどん球が速くなっていったというもの。速球の球速と比率に関して簡単に載せておきます。

四月: 93 mph, 56%
五月: 93.6 mph, 65.3%
六月: 93.9 mph, 64.1%
七月: 94.3 mph, 64.1%
八月: 94.9 mph, 69.4%
九月: 94.8 mph, 70.2%

終盤は速球の比率がかなり増えてますね。球速が上がったことを実感して自信を持ったんでしょう。

もうひとつ、2009年にメジャーデビューしてからの球速の推移を載せておきます。データ元はいつも通りfangraphs。

2009 92.5mph
2010 92.1mph
2011 94.2mph

2つのデータを比較するとすでに開幕時には球速が上がっていたことがわかります。C.J.WilsonがFAになり、ダルビッシュ獲得戦ありと今オフ注目点が多いレンジャーズ。三年連続ワールドシリーズに進出できるかはわかりませんが、来年もレンジャーズにはホランド、オガンドー、ハリソンと注目のピッチャーがいますね。

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Keith Allison

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ゴールドグラブ賞とフィールディングバイブルを比較してみた。2011

ゴールドグラブ賞が発表になりました。例年ほど議論になっていないなという印象を受けますが、セイバーメトリシャンたちの考察と比較してみます。日本ではイチローが受賞しなかったことが少しニュースになりましたが、彼に関しても調べてみます。

まずはゴールドグラブ受賞者を確認しましょう。まずはアメリカンリーグ。

American League
P — マーク・バーリー、ホワイトソックス

C — マット・ウィータース、オリオールズ

1B — エイドリアン・ゴンザレス、レッドソックス

2B — ダスティン・ペドロイア、レッドソックス

SS — エリック・アイバー、エンゼルス

3B — エイドリアン・ベルトレー、レンジャーズ

LF — アレックス・ゴードン、ロイヤルズ

CF — ジャコビー・エルズベリー、レッドソックス

RF — ニック・マーケイキス、オリオールズ

レッドソックスから三人選ばれましたが、この三人は順当ですね。ショートのアイバーはあまりうまいという印象が私にもありません。
続いてナショナルリーグ。

National League

P — クレイトン・カーショウ、ドジャース

C — ヤディアー・モリーナ、カーディナルス

1B — ジェイ・ボットー、レッズ

2B — ブランドン・フィリップス、レッズ

SS — トロイ・トゥロウィツキー、ロッキーズ

3B — プラシド・ポランコ、フィリーズ

LF — ゲラルド・パーラ、ダイヤモンドバックス

CF — マット・ケンプ、ドジャース

RF — アンドレ・イシアー、ドジャース

おっ!ダイヤモンドバックスのパーラって知らない。なんか嬉しい。あとで少し調べてみましょうか。あと去年のMVPボットーが受賞しています。確かに進歩していると感じますが、プーホルスを凌ぐレベルなのか気になりますね。

続いて近年議論を巻き起こしているフィールディングバイブルをチェック。リーグ毎に選出されない賞なので、比較のために投票結果から各リーグ一位の選手をピックアップしてみます。

リンクはこちらhttp://www.fieldingbible.com/complete-votetally.asp

American League

P — マーク・バーリー、ホワイトソックス

C — マット・ウィータース、オリオールズ

1B — エイドリアン・ゴンザレス、レッドソックス

2B — ダスティン・ペドロイア、レッドソックス

SS — アルシデス・エスコバー、ロイヤルズ

3B — エイドリアン・ベルトレー、レンジャーズ

LF — ブレット・ガードナー、ヤンキース

CF — オースティン・ジャクソン、タイガース

RF — トリイ・ハンター、エンゼルス

National League

P — R.A.ディッキー、メッツ

C — ヤディアー・モリーナ、カーディナルス

1B — アルバート・プーホルス、カーディナルス

2B — ブランドン・フィリップス、レッズ

SS — トロイ・トゥロウィツキー、ロッキーズ

3B — パブロ・サンドバル、ジャイアンツ

LF — トニー・グウィン、ドジャース

CF — クリス・ヤング、ダイヤモンドバックス

RF — ジャスティン・アップトン、ダイヤモンドバックス

(太字はゴールドグラブを受賞しなかった選手です。)

予想外と感じたのはナショナルリーグの三塁手としてサンドバルがトップになっていること。両方ともトップになっている選手に関しては文句のつけどころが無い気がしますね。折角なのでもうひとつ、FangraphsのUZRも含めて3つを比較してみます。
ピッチャーに守備の賞を与えるのはあまり意味がないと感じているのでと、キャッチャーのUZRが無いので、ピッチャーとキャッチャーは除いています。

ゴールドグラブ受賞者がフィールディングバイブルとファングラフのUZRでどう評価されているかを比較した表です。数値は両方とも高いほど良いということを示しています。セイバーメトリシャンたちはアイバーとケンプのゴールドグラブ受賞は認めないでしょうね。UZR上ではケンプとマーケイキスがマイナス、つまり平均以下の野手となっています。

AL
SS・・・アイバーより良い数値を示す選手がたくさんいます。印象どおり彼はベストなショートではないのでは。
レフト・・・フィールディングバイブル賞のガードナーがUZRでも圧倒的にゴードンより上だった(UZRは25.8)。
ライト・・・UZRではスウィッシャーとデヘスースが良い成績であった。ただマーケイキスは素晴らしいプレーを見せてくれるから悪くない気がしますね。イチローはフィールディングバイブルでは25ポイント獲得したが、UZRでは-5.7と平均以下という成績だった。来年はいろんな意味で復活してほしいところ。

NL
1B・・・UZRではボットーの方がプーホルズより良く、ナショナルリーグでは1番であった。
3B・・・サンドバルはUZRでもポランコとあまり変わらなかった。見た目にだまされてたのかもしれない。
レフト・・・ゴールドグラブを受賞したパーラは規定打席に到達していなかった。UZRはフィールディングバイブルの投票でも上だったグウィンの方が良かったが、グウィンは打撃がダメで出番ももっと少ない。ゴールドグラブ賞の方が適切だったと感じる。
センター・・・ケンプは驚くようなポカもやったし、クリス・ヤングの方があきらかに守備はいいと思う。ただヤングは打撃がイマイチですね。

個人的に守備で最もエキサイティングだと感じるのはベルトレー。あの反射神経は異次元ですよね。またもっとも成長したなと思うのはエルズベリー。2009年オフには打球への反応が悪く快速を生かしきれていないといわれていましたが、改善しました。弱点の肩も、送球を工夫していて前ほど悪くないですね。

久々長文になってしまいましたが、お付き合いいただいた方、ありがとうございます。

Eliasランキング

今後のFA市場で重要となるイライアスランキングがMLBTRにアップされていました。できるだけ最新の情報であるように加工してあります。こうやって眺めてみると、FA市場だけでもかなり盛り上がりそうですね。

Type A
C.C. サバシア ヤンキース 95.930 (can opt out)
アルバート・プホールズ カーディナルス 95.200
プリンス・フィルダー ブルワーズ 91.200
C.J. ウィルソン レンジャーズ 90.988
デビッド・オーティズ レッドソックス 86.000
ライアン・マドソン フィリーズ 82.948
ヒース・ベル パドレス 81.437
カルロス・ベルトラン ジャイアンツ 80.879
ジョナサン・パベルボン レッドソックス 80.292
ラモン・ヘルナンデス78.947
ロイ・オズワルト フィリーズ78.350
マイケル・カダイヤー ツインズ 77.671
ジョシュ・ウィリンガム アスレチックス 77.534
ケリー・ジョンソン ブルージェイズ 74.725
マット・キャップス ツインズ 73.788
ダレン・オリバー レンジャーズ 72.880
ホゼ・レイエス メッツ 77.249
ジミー・ロリンズ フィリーズ 76.720
フランシスコ・ロドリゲス ブルワーズ 75.671
オクタビオ・ドーテル カーディナルス70.922
タカシ・サイトー ブルワーズ 69.627
フランシスコ・コルデロ レッズ68.486

Type B
アラミス・ラミレス カブス 71.978
マーク・エリス ロッキーズ 71.429
ロッド・バラハス ドジャース 70.489
ヴラジミール・ゲレーロ オリオールズ 70.000
アレックス・ゴンザレス ブレーブス 69.312
マーク・バーリー ホワイトソックス 68.508
ジェイソン・クーベル ツインズ 68.219
フランク・フランシスコ ブルージェイズ 68.211
ラウール・イバネス フィリーズ 68.022
ライアン・ドゥミット パイレーツ 67.857
ブルース・チェン ロイヤルズ 67.248
ヒロキ・クロダ ドジャース 66.422
クリス・シュナイダー パイレーツ 65.414
ブラッド・リッジ フィリーズ 64.477
デビッド・デヘスース アスレチックス 64.384
デレク・リー パイレーツ 64.000
マグリオ・オルドネス タイガース 63.288
エドウィン・ジャクソン カーディナルス 63.154
ライアン・ラドウィック パイレーツ 62.637
アーロン・ヒル ダイヤモンドバックス 62.500 (club option)
ユニエスキー・ベタンコート ブルワーズ 61.905
ケリー・ウッド カブス 61.764
フレディー・ガルシア ヤンキース 61.240
ホアン・ピエール ホワイトソックス 61.233
ジョン・ラウチ ブルージェイズ 61.083 (club option)
ダン・ウィーラー レッドソックス 60.905
コーディ・ロス ジャイアンツ 60.879
アーロン・ハラング パドレス 60.294 (mutual option)
ウィルソン・ベテミット タイガース 59.740
ホゼ・モリーナ ブルージェイズ 59.586
カルロス・ペーニャ カブス 59.200
パット・バーレル ジャイアンツ 59.121
アーサー・ローズ カーディナルス 59.019
ショーン・キャンプ ブルージェイズ 57.680
ジェイソン・バリテック レッドソックス 57.143
ラファエル・ファーカル カーディナルス 56.085
クリント・バームス アストロズ 55.556

気になる日本選手では斎藤隆がタイプAとされていますね。黒田はタイプBです。メジャー残留を宣言してくれればかなり人気となりそうですね。