2012シーズンの注目ポイント②−プホールズの第二章

とうとう史上最高とも呼ばれるバッターがアメリカンリーグにやってきた。アメリカンリーグの方がレベルが高いと呼ばれるだけに、どのような成績を残すのか非常に興味が湧いてくる。プーホルズがカーディナルスで魅せてくれたように、エンジェルスでも素晴らしい成績を残せるのか?
まずはプーホルズにとって前向きな要素とは何か?

・チームのサポート
キャリアにおいて3番打者であることが多かったが、カーディナルスでは素晴らしい4番打者のサポートを受けることができた。キャリアの初期ではスコット・ローレンがその役割を担い、最近ではマット・ホリデイが相棒だった。エンジェルスでは彼らほど強力な打者はいないかもしれないが、ケンドリス・モラレスやハンターら手強い打者のサポートが得られることはプラス材料だ。
・エンジェルスのチームカルチャー
2010年の松井にもそうであったように、アットホームなチームの雰囲気は彼をバックアップするはず。多少のスランプが起きても重圧にはならないはずだ。
・スプリングトレーニングでの調子
開幕前の調子は参考にならない場合ももちろんあるが、ナリーグ時代と同じように素晴らしいスイングは継続されていた。今まで通りやれば成績は残せるはずだ。

一方、不安材料が全く無いということではない。
・ここ数年の成績
過去二年はいずれも前年の成績を下回っており、特に去年はキャリア最低の成績であった。年齢は32歳とまだ急激に衰え始める年齢というわけでもないが、全盛期といえるような若さでもない。2009年以前のようにモンスターな成績を残せない可能性はもちろんある。
・リーグの変更
アメリカンリーグの方がレベルが高いと言われている。以前のチームメイト、ローレンもリーグの変更に失敗した一人だったし、去年はアダム・ダンが惨憺たる状態におちいった。特に一年目の今年は手こずるかもしれない。ミゲル・カブレラやエイドリアン・ゴンザレスなど高いテクニックをもった選手はアリーグでも好成績を残している。さらに素晴らしいテクニックをもったプホールズなので心配ではないかもしれない。
・アリーグ西地区のパークファクター
エンゼルスの所属する西地区には投手天国の球場が2つも存在する。マリナーズのセーフコ・フィールド。オークランド・コロシアム。この2つの球場は成績に多少の影響を与えるはずだ。

最後に思い切って今シーズンの成績を予想してみる。
.310 35本塁打 110打点。

開幕投手をチェック!明日ですべて出揃うゾ

今日の試合は開幕投手たちが持ち味を発揮したのか投手戦が多かった。現役最高のピッチャーともいえるハラデイとバーランダーは二人とも八回無失点。圧巻でした。眠いけど今日も頑張っていきましょう。

それでは明日ですべてのチームが開幕を迎えます。やっぱり注目はヤンキース対レイズかな?

ホワイトソックス 対 レンジャーズ
日本時間午前3:05から
ダンクス 対 ルイス

ツインズ 対 オリオールズ
日本時間午前4:05から
パバーノ 対 アリエッタ

ヤンキース 対 レイズ
日本時間午前4:10から
サバシア 対 ジェームズ・シールズ

カーディナルス 対 ブルワーズ
日本時間午前5:10から
(ハイミー・ガルシア) 対 ガヤード
ガルシアは開幕投手ではない。

ロッキーズ 対 アストロズ
日本時間午前8:05から
ガスリー 対 ワンディ・ロドリゲス

ジャイアンツ 対 ダイヤモンドバックス
日本時間午前8:10から
リンスカム 対 イアン・ケネディ

ロイヤルズ 対 エンゼルス
日本時間午前11:05から
ブルース・チェン 対 ジェレッド・ウィーバー

オリオールズはアリエッタが開幕投手を務めるのか。右打者だらけのエンゼルスに対してチェンをあてるとはロイヤルズすごいですね。

明日の開幕投手をチェック!

先週日本で開幕したMLB。すでにアメリカでも今朝ほど開幕しました。偶然アップルTVつけて気づいたので良かったものの、明日からがアメリカでの開幕だと勘違いしていて。今朝までこのブログでマーリンズの開幕投手はジョンソンじゃないんだなんて書きそうな勢いでした。

それでは明日は七試合、揃って13球団が開幕を迎えるので開幕投手たちをご紹介。

レッドソックス 対 タイガース
レスター 対 バーランダー

ブレーブス 対 メッツ
ハンソン 対 ヨハン・サンタナ

フィリーズ 対 パイレーツ
ハラデイ 対 ベダード

ナショナルズ 対 カブス
ストラスバーグ 対 デンプスター

ブルージェイズ 対 インディアンス
ロメロ 対 マスターソン

マーリンズ 対 レッズ
(バーリー) 対 クエト
バーリーは開幕投手では無いですよ。

ドジャース 対 パドレス
カーショウ 対 ボルケス

最も注目すべき開幕投手といえばやっぱりストラスバーグ!日本時間では午前3時半ころに登場すると思われます。

そして最も注目すべき開幕カードはなんといってもタイガース対レッドソックス。タイガースは去年のアリーグMVPバーランダーが投げます。そしてフィルダー加入でとんでもないデュオが誕生しましたが、対するのはボストンのエース、レスター。熱戦間違いなし。

去年のナリーグサイヤング投手、カーショウももちろんドジャースの開幕投手として登場します。

明日なげるピッチャーは実績十分のピッチャーがズラリ。
うーん、興奮してきますね。

2012シーズンの注目ポイント①−ストラスバーグ

ようやくストラスバーグが開幕からメジャーで投げるシーズンがやってくる。しかも開幕投手としていきなり登場する。まだあまり彼のことを知らない方のためにちょっとだけ紹介しよう。

ストラスバーグは2009年にドラフト全体1位でナショナルズから指名された。2008年のオリンピックで投げていた大学生の豪腕投手といえば記憶にある方もいるかもしれない。すぐに2010年シーズン途中でデビューしたが、まもなくトミー・ジョン手術となって離脱。去年はリハビリ程度に終盤メジャーで投げただけ。そんなストラスバーグがようやくフルシーズンを迎える。

彼の速球はとにかく速い。デビュー年の4シームの平均急速はなんと97.6マイル。157キロ。万全ではないはずの去年ですら96マイル。154キロ。カーブとチェンジも切れて空振りを取れるし、コマンドも良い。そう、まるで夢のような投手。それがストラスバーグだ。

ポテンシャルはバーランダーやハラデイよりも高い。そんな彼が開幕から観られる素晴らしいシーズン。チームは負傷あけということでイニング制限をかけるらしいが、それでも彼が一年間投げるインパクトは大きいはず。ナショナルズは少しずつだが戦力も整ってきたし、楽しみだ。

ボビー・バレンタインとチェリントンの確執

レッドソックスのファンでなくとも、今年のボストンは注目すべきだ。理由は電撃的に就任した新監督、ボビー・バレンタインにある。さらに注目すべきは監督だけでは無く、GMも交代となったことだ。ここ数年メジャーで最も注目されてきた男、エプスティーンがカブスへと移籍し、ベン・チェリントンが内部昇格して新たなGMとなった。

果たしてタイトルの通りに確執があるのか?それは当事者にしか知り得ない事情だが、真相とは関係なくメディアは騒ぎ続けるに違いない。

バレンタインの就任の経緯からしてメディアを喜ばせるものだった。先にGMに就任していたチェリントンは、スヴェイムを新監督に任命する直前だった。しかし球団社長のルキーノがなかなか承認を出さず、バレンタインも面接しろと言い出す。グズグズしているうちにスヴェイムはカブスに掠め取られてしまい、結局ルキーノの意向でバレンタインがボストンの新監督となった。

新監督任命というチェリントンGMとしての最初の大仕事になるはずが、上層部に介入されたというわけだ。このルキーノが起こす騒動は地元メディアお気に入りの問題である。かつてもエプスティーンがルキーノの介入を気にいらず、数ヶ月ボストンをさるという事件が起きている。(そのとき暫定的だがチェリントンは共同GMになっている)昨シーズン末の惨敗でチームはバラバラと騒がれたが、ルキーノの存在がメディアに隙を与えている。二人の意見が食い違えば確執だという流れももっともな気がする。

二人の意見で最初の大きな相違があったのはショートのポジションに関して。すでにゴールドグラブのうまさといわれるキューバ亡命のプロスペクト、イグレシアスをボビーは開幕メジャーにしようとした。一方のチェリントンは時期尚早と判断、マイナースタートにさせている。

目下、選手起用で最も気になるのはクローザー問題。ボビーはダニエル・バードをクローザーにしたがったが、チェリントンはバードの先発転向を主張。先日バードが先発5番手になったと報道された。二つの案件ともメジャーの通例通り、GMの意見通りとなったが、このクローザー問題はまだ目が離せない。なぜならばクローザーのベイリーがDLスタートが濃厚となったから。緊急事態を理由にバレンタインが再びバードをクローザーにさせるかもしれない。

バレンタインの監督就任は賛否両論だ。カリスマ性という点では、日本人が感じる以上かもしれない。しかし裏を返せばアクが強いということでもあり、のびのびとしたカルチャーのレッドソックスをまとめきれないという意見も多い。

『美しい挑戦になるだろう。』

カペッロがサッカー、イングランド代表の監督に就任する際、このように言ったとされる。ファンを失望させている状況下でカリスマ的な監督が就任する状況がかぶってうつる。バレンタインは美しい挑戦とすることができるのか?それとも醜い権力争いに終止してしまうのか?