ダルビッシュの開幕5試合を去年と比較してみた。(スライダーが増加)

2年目のシーズンに突入したダルビッシュはエースの風格が出てきた。あわやパーフェクトゲームだった開幕初先発だけでなく、その後も奪三振の山を築いている。去年と比較してどのくらい成長したのか?(ただメジャーに順応しただけかもしれないが)開幕5試合目までのスタッツを昨シーズンと比較してみた。

2013-04-30 16.51 のイメージ

クラシックな数字として今シーズンは

4勝1敗、防御率1.65、32.2イニング

2012シーズンはというと

4勝無敗、防御率2.18、33イニング

と、数字としてはかなり良かった。上記の表を見ての通り、最後の3試合はさほど点を取られなかったから。上記の比較ではそれほど変わらないような印象も受けてしまう。

だけど内容を比較してみるとかなり違う。表中において赤枠で囲った通り、与える四球が減って奪三振が増えた。K/BBは一流投手の数字を示している。WHIPは昨シーズンは5試合で1.42と悪かったが、今シーズンは0.80。まるで別の投手のような数字を示している。

プロ野球の投手からは制御しにくいといわれるメジャーのボールだが、2年目になってうまくコントロールできるようになったようだ。抜けた球が減ったのが一例。

もっとも昨年から変わったのはスライダー。今シーズンは彼にとって最大の武器になっている。決め球として使用することが増えているが、ベースボールプロスペクタスによると興味深いデータがある。昨シーズン全体で、スライダーの比率は14%だった。今シーズンはここままで27%の比率と倍増。いかにスライダーに自信を持っているかが分かると思う。2ストライクのシチュエーションでは45%がスライダーだ。(去年は23%だった。)

まだ一月しか経っていないのので、成績は当然これから下降するだろう。ただここまでの安定感を見る限り、怪我でもしないかぎりは去年よりずっと良い成績を残しそうだ。

ティム・コリンズ、小さなクリフ・リー

WBCにアメリカ代表として出場したティム・コリンズ。この国ではWBCはほとんどサムライジャパンのことしかメディアが伝えないし、MLBでの所属もロイヤルズなので知ってる人は少ないかもしれない。

Tim_Collins

私もWBCのロースターが発表するまで知らなかったのだが、登録された身長によると、

5フィート7インチ。

約170センチしかない。スポーツ選手は良くサイズをごまかすのでもっと小さいかもしれない。これは日本でだって小振りな方ではないだろうか?ましてや大柄な選手の集うメジャーでは小人族に属しているといってよい。サイズは小さいがピッチングは本格的。これほど小柄な投手がアメリカ代表に選出されたのだから日本の小柄な野球小僧には参考にしてほしいピッチャーだ。

MLBの球団は小さいと契約すらしてくれない。コリンズも高校の時はドラフト指名を受けることができず、カレッジに進んだらしい。そこで当時ブルージェイズのGMだったリッチアーディの目に止まり、プロ入り。ブレーブスを契約してロイヤルズに移籍。2011年メジャーデビュー。

フォームをチェックして真っ先に受けた印象は、「クリフ・リー」に似ているな、ということ。二人のフォームを比較してほしい。

コリンズ

リー

足のあげ方と背中を反らせる姿が共通している。ただ、今のところリーほどコントロールが良いわけでは無い。四球はよく与えてしまう。2012シーズンはK/9が12.01と素晴らしかったが、それでもK/BBはそれほど良くなかった。

2013-04-21 16.29 のイメージ

球種はカーブとチェンジアップ。特にカーブはカウントを稼ぐときも決め球もどちらでも投げる。右打者でも臆せず投げるので一番自身のある球なのだろう。

速球は平均93マイル(約150キロ)とメジャーでは特に球速があるわけでは無いが、切れがいい。右打者の内角を攻めることもできるのが素晴らしい。

どの球種も勝負できる球質だが、さらなる成長を遂げるにはコマンドを磨く必要がある。もっとうまく投げれば速球を狙い撃ちされる確率も下がるし、フォアボールを減らしてピンチを少なくすることができる。

まだ23歳。ロイヤルズという球団事情から3年後くらいにトレードにだされる可能性が高い。これから注目のレフティである。

 

開幕から10試合以上が経過。ブレーブスがロケットスタート

シーズンがはじまると書く頻度が減る傾向にあることを自覚しています。今シーズンはせめて週一でも継続させたいですね。

開幕から10試合以上が経過。まだまだはじまったばかりだけど、うまくスタートを切れたチーム、はじめからつまづいてしまったチームがやはり出てますね。

ロケットスタートを切ったのはブレーブス。11勝1敗と最高のスタートを切った。スタッツをチェックすると今のとこらは投手陣が絶好調。打者の調子はまだ調子の上がっていない選手がいる様子。アップトン兄弟を二人とも獲得してかなり顔色が変わったが、兄弟でスタートに差が出ている。弟は絶好調だが兄はまだまだ。ただ元々調子にムラがあるタイプ。ブレーブスはまだ調整が必要そうなのにいきなりこれだけ貯金が出来たのは大きい。

去年のプホールズに続き、ハミルトンの獲得と打撃の大補強に成功したエンジェルスはつまづいてしまいました。当のハミルトンが開幕からつまづきましたが調子が上がってきたのでチームもこのまま借金返したいところ。

もう一つ大補強したブルージェイズは大味な印象。レイエスとローリー、二人のダイナミックなプレーヤーが離脱しているので今は踏ん張りどころ。

ハミルトンとナポリが抜けてかなり打線がスケールダウンしたレンジャーズはまずまずのスタート。投手陣が踏ん張ってます。ただ怪我人も出てるので早く攻撃の形を整えたいところかも。

まだ始まったばかりですが、やっぱり面白いですなー。

ダルビッシュ対エンジェルス

日本時間の明日はレンジャーズ対エンジェルスでダルビッシュ登板予定。投げ合うのはエンジェルスのウィーバーと見応え十分。強力エンジェルス打線との対戦も注目すべきポイント。

最高のスタートを切ったダルですが同地区ライバルを抑えてチームにも勢いを与えたいところ。ウィーバーは昨年レンジャーズホームで防御率6.48と相性が悪かったが、レンジャーズ打線は去年よりかなりダウングレードになってるのでしっかり抑えることが必要。

ところでダルの対エンジェルス成績は4.23とあまりよくない。成長したところを見せられか?

明日は各チームのエースが多数登板する日なので他にも注目したい試合は多いですが、あえて地味なマーリンズ対メッツ戦が注目です。マーリンズのトッププロスペクト、ホゼ・ヘルナンデスが登板します。

2013ドラフトの指名順位

ちょっと気が早いけど今年の6月のドラフトに関して。今年も例年通りの6月に開催。6/6〜8の3日間で開かれます。

今回からドラフトの順番に多少の変更あり。大きくは、

  1. ドラフト補償の指名番が変更になった。
  2. くじ引きラウンド(Conpetitive balance round)が新設された。

の二つです。まずは一巡目指名の順位をチェックしてみましょう。
2013-04-06 14.18 のイメージ

注目してもらいたいのは全部で27の指名権しかないこと。MLBの球団数は30球団なのに。

これは1,の補償のルールが変更になったためです。FAを獲得した球団の指名権をそのままもらえました。たとえばカイル・ローシュを失ったカーディナルスはブルワーズから全体17番目の指名権を補償されていた。これが今回から無くなります。補償を受けられるのは今までサンドイッチ指名権と呼ばれていたものだけ。

一巡目指名権の喪失が、ブリュワーズ、ブレーブス、エンジェルス、そしてナショナルズの4球団に起きました。そのため元々31あった(パイレーツは去年アッペルとサインできなかったため2つ持っている)一巡目指名権が27に減ったというわけ。

補償ラウンド

続いて補償ラウンドです。2013-04-06 15.22 のイメージ

こちらはリバースランキング通りの順番で補償ピックがされます。ボーンとスイッシャーを獲得したのはインディアンズですが、インディアンズは全体10番以内の指名権をもっていたため、一巡目指名権がプロテクトされていました。その代わりスイッシャー獲得で2巡目指名権となる43番目指名権を、ボーン獲得でくじ引きラウンドBの全体69番目指名権を喪失しています。

くじ引きラウンド

2012年までならばこの後に2巡目指名が始まりましたが、今回からは変わります。それが2番目のくじ引きラウンドの新設です。くじ引きラウンドという名前は私が仮に名付けただけですが、戦力均衡を目的に始まります。

市場の小さなフランチャイズや、売上の少ないフランチャイズの球団が指名権を追加してもらっているのですが、くじ引きで決めているのくじ引きラウンドと呼んでいます。英語では Competitive Balance Lottery Rounds と呼ばれています。

くじ引きラウンドA

2013-04-06 15.39 のイメージ

くじ引きラウンドに関してはまた別途説明の機会を設けたいと思います。このあとまたアストロズから2巡目の指名が始まります。ただしインディアンズはスイッシャーの指名で権利を失っていますのでありません。そしてその後にくじ引きラウンドBがあります。

日本人には分かりづらいMLBのドラフトですが、さらに複雑になりましたね。

開幕カードが終わって

毎年開幕っていうのはお祭りモードになりますね。このときをずっと待ってて、みんないよいよ始まるぞと気持ちが昂るためでしょう。

開幕戦というのは選手たちにとってはレギュラーシーズンの一試合でしか無いのかもしれない。開幕戦に負けたからって優勝できないわけではないし。

だけどファンにとっては特別。開幕を首を長くして待ってきたわけなので、ひいきチームが負けると普段より数倍もがっくりしてしまう。特に開幕カードで三連敗みたいにスイープなどされたらショックは大きい。ファンの期待に背いてスイープされてしまったのは唯一マーリンズだけ。まあこのチームは補強してないからファンもそれほど期待してないだろうが。

一方、スイープしたナショナルズは順調なスタートをきった。今年はワールドシリーズ制覇しか目標は無いでしょう。個人的にはストラスバーグがいよいよ本格的にシーズンを全うしたらどうなるのか?注目しています。

せっかく開幕したので何か書こうと思ったけど、だらだらしか書けませんね。まあマーリンズファン以外は少なくとも一勝できて良かったのではないだろうか?通常のシーズンモードに移行して今季も楽しもうじゃないですか。

 

明日は一気に24チームが開幕!

今季からアストロズがアリーグ西地区に移籍。両リーグとも15チームづつになったので常にインターリーグの試合が行われることになります。開幕の該当するカードは下記。

エンジェルス対レッズ

強力打線を構築したエンジェルスとバランスのいいレッズとの対戦。なかなか好カードではないだろうか?

その他の注目カードとして、ナショナルリーグは

ジャイアンツ対ドジャース
フィリーズ対ブレーブス

アメリカンリーグは

伝統の一戦、
ヤンキース対レッドソックス

に注目したい。

MLB.comでスタメン予想やっていたので是非チェックしてから観戦してみて下さい。

日本の深夜や未明に始まる試合がほとんどなので体調管理にはご注意を!

ところで今日の開幕ゲーム。アストロズは勝ったものの打線はかなり弱そう。アメリカンリーグで去年よりマシな戦いができるのか?監督は苦労しそうだなーと感じました。