マット・ハーヴィー。グッデン以来の大ヒット?

快投を続けるメッツのマット・ハーヴィー。速球は平均95マイルとメジャーでもトップクラスの剛球投手だがスライダー、カーブ、チェンジアップも素晴らしい本格派。メッツといえばドラフトでは失敗続きで、大物FAを獲得してもなぜか怪我してダメになってしまうという悲惨な状況が続いていた。大エースになる素質を持つハーヴィーの出現はメッツ復活のカギとなるかもしれない。

ハーヴィーは2010年にメッツからドラフト全体7番目で指名された24歳。6フィート4インチ(約193センチ)、225ポンド(約102キロ)と現代の投手としては理想的な体格を所持している。

メッツが自前で育てたピッチャーというとあまり記憶に無いなと思って過去のドラフト一巡目指名を眺めてみた。投手はおろか打者を含めても2001年のデビッド・ライトくらいしか一流になってない。カズミアーとかペルフリーとか、そこそこメジャーでは投げてもさほど成長しなかったピッチャーがいる程度。なんと遡って調べたら82年にドラフト指名したあのドワイト・グッデン以降、失敗続き。ハーヴィーは30年ぶりの大ヒットになる可能性がある。

ハーヴィーに死角は無いのか?

前述に述べたようにハーヴィーは速球で勝負できるだけで無く、変化球も良くてしかもバリエーションにも富んでいる。現時点で63回2/3を投げてわずかに四球は14とコントロールもよく、K/BBも4.86と優秀な数字。もちろんメジャーのフルシーズンに挑戦するのは初めてなので一年通して調子を維持できるかは見守る必要がある。体力面以外に不安要素は無いのか?

マイナー時代の成績と比較すると明らかな違いを見つけた。去年トリプルAでの四球率、BB/9は3.9。2011年もマイナー一年間で3.1。今シーズン序盤は2.0にも満たないから大幅に改善されている。これは成長したのか?それともただ単に調子が良いのか?もっとシーズンが経過しないと判断することはできない。ピッチャーは誰もが経験することだが、今よりストライクが入らなくなったらどうするか?その際の対応で本物のエースかどうかの分かれ道となる。ただマイナー時代の成績も極端にノーコンというわけでもない。ハーヴィーにはかなり期待できそうだ。

 

過去2年のドラフト全体1位選手のその後-ゲリット・コールとカルロス・コレア

ここ2年くらいでプロスペクトにもかなり興味を広げてきたので、来月のドラフトは個人的にかなり注目している。最近だと2009年と2010年にナショナルズが指名したストラスバーグとハーパーは強烈な印象をすでに残していますね。この二人の適応力はメジャーでは異常です。直近の2年間で全体一位指名された二人はいまどうしているのかなとふと思った。まだプロ入り1,2年ですからマイナーにいて当然なのがメジャー事情です。

そういえば以前にこんな記事も書いていた。ドラフト全体一位指名ってことはその年最も期待されたアマチュア選手って見方もできるけど、必ずしもメジャーで活躍する選手になるとは限らない。

ゲリット・コール
パイレーツ傘下トリプルA 22歳

ここまでAAAで七試合に登板して36.1回、防御率2.23とメジャーへの昇格は近そう。だが、与四球が19と多いのと奪三振は26と意外と少ない。内容をまだ改善する必要がありそうだ。

カルロス・コレア
アストロズ傘下シングルA 18歳

.392 .375 .767と及第点に見えるが
、打率は.225.とやや苦労している。プロのピッチャーのボールに早く慣れる必要がある。また6フィート4インチ(約193センチ)とショートとしては大きいのでこれからもスムーズな遊撃守備がこなせるように体のメンテナンスがマストとなる。

これからも時々二人の成長を追って行きたい。

 

サバシアの球速に関するメモ

昨日、ヤンキースのエース、サバシアの球速が落ちていることが気になった。別のニュースではレッドソックスのドゥブロンの球速が落ちているのでどこか悪いのでは無いかと報じられていた。雑誌のスラッガーを読んだらメジャーのスカウトはマエケンは球が遅いからメジャーで通用しないと言ってるらしい。球速至上主義者では無いが、たまたま同じ日に球速の話をよく目にしたのでデータを調べてみた。

まずはドゥブロンから。参考にしたのはベースボールプロスペクタス。

2013-05-05 19.12 のイメージ

 

確かに去年より落ちている。4シームでは約4キロくらいだろうか?昨日は90マイルでないことも多かったらしいからメジャーの先発投手としては平均以下のレベルだったことになる。経験の浅いピッチャーにこの状況は厳しいかも。

続いてサバシア。

2013-05-05 19.21 のイメージ

 

こちらもかなり去年より落ちている。それなりの成績を残しているのはさすがサバシアといったところか。

2013-05-05 19.23 のイメージ

グラフにしてみるとかなり落ちているのが分かる。4マイルはだいたい時速6キロくらい。どこも悪くないといいのだが。今後の経過をしばらくチェックしてみたい。

マリナーズ打線は球場を狭くしてもダメ?

アメリカンリーグでは有数のピッチャー天国として周知されているマリナーズのセーフコ・フィールド。しばらくチーム作りに失敗していることもあるが、あきらかに打線に迫力がなかった。球団側もファンが興味を失っていることを悟ったのか?今シーズンから一部フィールドを狭くして得点の増加を狙っていることをご存知の方も多いかも。

実際どのように変化したかは公式サイトに説明があります。左中間から右中間にかけて狭くなりました。

もっとも変化があったのは左中間。右打者には有利になるはずです。チームの期待にある程度応えているのが新加入のモース。打率は出塁率は低調だが5/3時点まで9ホーマーとパワーは見せている。でもチーム全体としては相変わらず打線低調。

現在のザレンシックGMになってからしばらくは明確な戦略がありました。まずは不良債権となっている選手の整理。次に若手を中心とした打線の改革。不良債権の過程では極端とも思える守備のエキスパートを集めた。なかなか興味深い補強だったが、結果はまったく点を取れないチームができあがってしまった。そこまではでもきちんと不良債権を整理したし計算のうちだったかも。それから本当はジャスティン・スモークやダスティン・アックリーを中心とした打線で総合的なチーム作りを目指してたんだろうけど、これがうまくいっていない様子。

スモークもアックリーもそれなりにメジャー経験を積んできたけれどもブレークしてきれていない。二人ともポジションにおいては平均以下のレベル。ジェイソン・ベイやケンドリス・モラレスの復活の方が可能性としては高いかも。

せっかく岩隈ががんばっているのでマリナーズ打線は少しでも改善してほしいところ。さて、どうする次の一手。

なかなかスイングしなくなってきたメジャー事情

久々トム・ベルドゥッチのコラムを読んでのメモ。以下のことは薬物時代を経過しての現在のベースボール事情があることは各人で解釈されたい。

ここ十年ほどでマネーボールの戦術はかなり浸透した。現地のスカウティングレポートを読んでるとよく”Plate Discipline”や”Patience”って言葉が出てくる。日本語でいうと選球眼が一番近い。ストライクゾーンを見極めて、辛抱強く甘い球を打つこと。ただアウトになるよりできるだけピッチャーに投げさせるのが美徳となってきた。球数制限があたりまえになっているメジャーなので重視するのは当然といえば当然。

だけどそのことを気にしすぎると消極的なバッターが増えることがマイナス。ベルドゥッチはいくつか例を挙げている。

一つ目の例としてナショナルズのジェイソン・ワースの例をあげている。チャンスでスリーボールナッシングからワースが併殺に倒れると、非難にあったこと。統計的にはもっとも打ちやすいカウントだが併殺なんて最悪の結果に終わると非難される。これってただの結果論だけど。個人的にもスリーボールから併殺ゴロだと憤慨する。ポイントはワースのような基本的に選球眼の良いバッターでも非難されることかも。

二つ目は初球のストライクをバッターがだんだん振らなくなってきていること。その代わりどんどん三振の数は増えてバッターの成績も下降しているのだからもっと積極的になるべきだというのも一利ある。

この初球ストライクを振らないという点に関しては打者次第という補足がある。打撃能力の高い打者の中にはわざと初球を振らない打者がいる。現役選手ではたとえばツインズのジョー・マウアーやレッドソックスのペドロイアがそう。ジョージ・ウィルの「野球術」においてもウェイド・ボッグスは初球ストライクをほとんど振らなかったと書かれている。特に彼らは一打席目のファーストストライクは振らない。先発投手のボールの軌道を確認しているのか?他に理由があるのか?定かではないがとにかく振らない。他のバッターも彼らのマネをはじめたのかもしれない。

忘れてはならないのが目的は点を取ること。状況によっては初球から積極的に打った方がよい場合もある。先発ピッチャーに球数を放らせて早く降板させるのは分かるとしても、リリーフピッチャーにまで同じ戦術をする必要はない。四球も多い、三振も多い、なかなか振らないという打者も珍しくなくなってきたけど、チャンスに見逃し三振というのはファンがもっとも嫌悪するシーンの一つなはず。

戦術的な面だけでなく、興行的な側面からも懸念すべきかもしれない。MLBはやや人気が下り坂になってきた。薬物時代を経て投手の時代といわれるが、ファンはだんだん時間がかかるだけの試合にうんざりはじめたのかもしれない。メジャーならやっぱりエキサイティングな方がいいよね。もちろん辛抱強くて点も取れるという、ハイレベルな打線は見応えがあるが、そろそろ変わった個性を持つチームが出てきてほしいところ。

オールスターの投票がスタート。At Batからも投票が可能

MLBはオールスターの投票がスタート。今シーズンは7月16日に、メッツの本拠地シティフィールドで開催されます。下記のリンクから投票可能です。

ALL Star Game 2013 MLB.com Ballot

去年までもあったかどうかは不明ですが、MLB.comの公式アプリ、MLB At Bat からも投票が可能になっています。アプリをインストールされている方には通知が来たはずですが、通知されなかった方は以下を参考にしてみてください。

iOSなら通知はこんな風に来たかも

iOSなら通知はこんな風に来たかも

通知が来た方はタップすれば下記のような投票画面が立ち上がるはず。

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通知が来なかった方は、まずアプリを立ち上げてメニューのアイコンをタップしましょう。

iPadなら左上のMLB.comのアイコン。iPhoneならば右下のアイコンになります。

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そうしたらAll Star Game Ballot の文字がメニューに出てきます。

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これで投票画面にいけるはず!

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とりあえず25回、投票ができます。回数に達するとアラームが出るのでがんがん投票しましょう。