2003年のプロスペクトランキングでミゲル・カブレラは何位だったのか?Baseball America のランキングを振り返る

5年前くらいからプロスペクトのサイトものぞきはじめました。 当たり前ですが専門家たちの予想は当たったり外れたり。それでも毎年この季節になるとBaseball America とかのプロスペクトランキングが発表されるのが楽しみになっています。

ふと過去のランキングをレビューするのは面白いかな?と思い立ちましたが、アリーグ2年連続MVPで現役最強打者のミゲル・カブレラはどういう評価をされてたのか気になりました。彼がメジャーに定着したのは2003年のシーズン。早速2003年のBaseball America のランキングをトップ20まで見てみましょう。

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トップに選ばれていたのはテシェーラ。その後も期待通りの働き。カブレラは12番目。結構期待されていましたが、同じ長距離砲としては最近のジャンカルロ・スタントンやブライス・ハーパーほどでは無かった様です。

10年前と今では多少査定の方法が変化していると思いますが、当時からその若手の持っているツールや年齢、伸びしろなどが考慮されていたはず。20歳にしてはミギーもかなり期待されていたと言えますが、同年齢やさらに若い19歳でミギーより期待されていた選手がいますね。

3位にランクされていたホゼ・レイエスはスピードをはじめとするツールの素晴らしさにより、かなり期待されていました。今でも非常にエキサイティングな選手ですが、期待されていたのも納得。続く4位のジョー・マウアーは2001年のドラフト全体1位指名。その後順調に成長してメジャーでも屈指のバッティングと出塁率を誇る選手になりました。

ミゲルより年下のカズミアーが11番目。彼は2002年にドラフト一巡目で指名されていました。一時はメジャー登録もされないほど苦しみましたが去年見事に復活しましたね。

また2位のバルデッリはレイエスと同じように打ってよし、走ってよしのエキサイティングな選手でしたが不運なことに2007年ごろにミトコンドリア異常という難病を患いすでに引退しています。

こうやってレビューしてみると一流選手も多いしほとんどの選手がメジャーで活躍しています。でもミゲル・カブレラがこんなに歴史に名前を残しそうなほど活躍するとは予想できなかったという感じでしょうか。ミギーは上記にランクインしている選手としては一番試合にも出場しているタフガイでもあります。

2名ほど怪我でほとんどメジャーで活躍できなかった選手もいますが、ここまで活躍している選手の名前が並んでいるとはかなり信頼できるランクと言えるのではないでしょうか?2014年版として発表されるランクもチェックしてプロスペクトの成長を追っていくのも楽しいもの。ただミゲル・カブレラの例の様に誰がその後抜け出すかは分かりません。自分好みの選手を発掘していくのも興味深い作業です。特に野手のプロスペクトはYou Tubeでスイングをチェックできる時代ですからね。

もはや田中将大はポスティングすべきでは無くなってしまった。

一メジャーファンとしてはメジャーに行って欲しいんだけど。ビジネス的に行かせない方が良いと思う。

新しいポスティングシステム合意の報を受けて驚いた。ポスティングできる最大額はなんと$20m(約20億円)。カール・クロフォードの年俸にも満たない額。ポスティングフィーを抑えたいMLB側(実際は金持ちでない多数派球団たち)の意向が通ったのか?

一方今週は記者のピーター・ギャモンズが楽天、三木谷オーナーからマー君をポスティングしないという独占インタビューをとったとの報道も。新ポスティングシステムと関係があるかは謎。だがダルビッシュ以上で60億円以上確実と言われたマー君のポスティングフィーだったので楽天としては40億円以上の大金が消えた計算となる。マー君のマーケティング価値なら日本にいても年間20億円くらいの価値はあるはず。もはやビジネス面で楽天側にメリットはない。私がオーナーなら完全にマー君がFAになる一年前にポスティングして20億だけもらう選択をすると思う。

一体この上限$20mという設定で誰が得をするのか?この中途半端な金額のせいで誰も利益を得ない結果となる可能性もある。

ウィンターミーティング始まる!ブロックバスター起こるか⁇

MLBの野球関係者が一堂に会するウィンターミーティングがやって来ました。特にGMがみんなで色々話しあえる機会なので大きなトレードが実現することが例年多い。

今年はすでにタイガース、レンジャーズ間でフィルダーとキンズラーという大型トレードが実現しているが、より大きなトレードが実現するかに期待がかかっている。注目されているのは去年もジェームズ・シールズと交換に新人王のマイヤーズを獲得したレイズ。今年トレードされる噂の渦中にいるのはリーグ屈指の左腕、デビッド・プライス。まだFA権取得まで2年あるため、最大限のわ見返りを求められる状況。ドジャースやダイヤモンドバックスがトレード相手の噂が上がっているが、レイズが去年のマイヤーズ以上の見返りを要求するのは必至。トレードのコマを揃える球団は果たして現れるか?

その他でもカブスの先発投手サマジーヤ、エンゼルスの一塁手、トランボ、フィリーズのレフト、ドモニク・ブラウンらがトレードの噂に上がっている。レッドソックスは先発投手やプロスペクトに豊富なコマを揃えているのでもしかするとトレードで動くかもしれない。

また日本のファンとしてはヤンキースの動向も気になるところ。直前にエルズベリー、ベルトランと大物FAをかき集めたので外野手が過剰な状態。ガードナーかイチローがトレードされる可能性大。日本のファンとしてはイチローがどうなるかに注目が集まる。

FA市場の動きが早かった今年なので、大なり小なり幾つかトレードは起こるでしょうね。

MLB2005年のドラフトを振り返る

気が早いですが、来季2014シーズンのドラフトは豊作になると言われています。スカウトの間ではここ2年、2012年と2013年は比較的不作だったらしい。まあ高校生なんて育て方次第ということもありそうなので、もう少し時間が経たないと結果はわかりませんが。当たり前の話ですが、年によって豊作とそうでない年があるというのは当たり前の話。以前マネーボールドラフト、2002年の時がドラフトであったことを書きましたが、今回紹介する2005年も豊作の年でした。

ドラフト一巡目のメンバーを並べてもざっとこんな感じ。(*付きはFAの補償指名)

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現在のMLBで活躍する選手がたくさん。全体1位指名のジャスティン・アップトンからアレックス・ゴードン(ロイヤルズのレフト)、ライアン・ジマーマン(ナショナルズのサード)ライアン・ブローン(MVP受賞歴あり)リッキー・ロメロ(元ブルージェイズ先発一番手)トロイ・トゥロイツキー(メジャー随一のショート)アンドリュー・マッカチェン(2013MVP)ジェイ・ブルース(レッズのライト)ジャコビー・エルズベリー(現役最高のリードオフマン)。その他にもペルフリー、メイビン、ペニントン、ガーザ、にラスマスと名のある選手がいます。

こうやって振り返るとやっぱりマッカチェンがNo.1でしょうか?高校から指名されましたがその後成長して全体1位のアップトン弟より価値の高い選手になりました。

またこの年はレッドソックスが大きな成功を収めた年でもありました。エルズベリーだけでなく、その後のサンドイッチピックでいまや右のエースに成長したバックホルツとジェド・ラウリー(現アスレチックスの正遊撃手)も獲得しています。2005年といえばバンビーノの呪いを解いて2004ワールドシリーズを制覇した直後のドラフト。オーランド・カブレラ、デレック・ロウ、ペドロ・マルチネスと主力をFAで失い弱体化したボストンですが、そのときの補償をうまく活用して2007年、2013年のワールドシリーズ制覇への戦力を補強したといえます。

2巡目以降に指名された有名選手として、チェース・ヘッドリー(パドレス2巡目)ケビン・スローウィ(ツインズ2巡目)ユネル・エスコバー(ブレーブス2巡目)ブレット・ガードナー(ヤンキース3巡目)ジェレミー・ヘリクソン(デビルレイズ4巡目)オースティン・ジャクソン(ヤンキース8巡目)らがいます。

トラウトに匹敵する?バイロン・バクストン

これから発表されるほとんどのランキングでバクストンがNo.1のプロスペクトに選ばれるはず。来シーズンはセプテンバーコールアップくらいで、本格メジャーデビューは2015シーズンになると予想されるが、それでもポテンシャルの高さから彼が一番の有望株と推すスカウトは多い。

バクストンは2012年のドラフトでツインズから全体2位で指名された。来シーズンを二十歳で迎える中堅手だ。6フィート2インチでスラッとした体型はいかにもアスリート。

今のとこら一番のセールスポイントは足。トップクラスのスピードを持つらしいがマイナーでは結構失敗が多かったりと勉強が必要みたい。センターの守備も平均以上で肩も強い。体型もそうだけどアップトン兄と比較されることも多い。

バッティングもマイナーでは成績を残していて出塁率も高い。パワーは未知数だが平均以上に成長できれば弱点もなく正に第二のトラウトの出来上がり。(トラウトの場合は肩は強くないか)


ただしまだ来年ダブルAの段階なので今後順調に成長するかは分からない。トラウトになれるのか?それともアップトン兄くらいどまりか?

サノーにバクストンと球界でもトップクラスのプロスペクトを2人も持つツインズ。ここ最近は低迷しているが未来は明るそうだ。

プレーオフで活躍したルーキー、ワッカとボガーツ

ホゼ・ヘルナンデスの歴史的な快投やプイーグのダイナミックなプレーなどルーキーの活躍が目立ったがプレーオフでもワールドシリーズに出場した2チームはルーキーが大活躍した。

ワッカはNLCS、MVPも受賞

カーディナルスのマイケル・ワッカはNLCSではMVPも受賞。敗退の決まったワールドシリーズ第6戦の前までは27回3失点。さらにはNLCSまでなら21回1失点という歴史的な快投を演じていた。特にワールドシリーズ出場を決めたNLCS第6戦のピッチング後は一躍スターダムに。

2012年のドラフトにて一巡目(全体19番目)で指名されたばかり。本格的にプロデビューしたのは今シーズンだが5月にはすでにメジャーのマウンドに立っていた。95マイル程度の剛速球とチェンジアップで勝負する本格派。速球が低めに決まればなかなか攻略は難しい。カーブを磨けばウェインライトの後継者としてエースになれそうな素材だ。

ワールドシリーズでは選球眼の良いレッドソックス打線に対し9回2/3で8四球と制球に苦しんだ。特に敗退が決まった第6戦では雰囲気に呑まれたのかフォームを崩していた。この経験を糧に来年更に成長してくれるはず。

選球眼が話題になったボガーツ

ボガーツに関しては丁度一年前に書いたことがある。去年からすでに注目される存在で長打力が魅力の若者だった。プレーオフでも魅せたが逆方向でも軽々長打を飛ばす天性の素質を兼ね備えている。

しかし意外なことに彼を最初に有名にさせたツールは選球眼。ALDS第4戦では途中出場から2打席連続四球を選び、ALCS第6戦でもシャーザーを引き摺り下ろす(微妙な判定ではあったが)四球を選んでみせた。実は去年の時点ではフリースインガーであることが弱点でメジャーでは定着できないリスクもあると言われていた。わずか一年で球種に関わらずビッグパピの様な選球眼を持つまでに成長。

レギュラーシーズンではまだ50打席しか立っておらず来年も新人王の資格を有する。三遊間のバックアップが手薄だったことからプレーオフのロースターに残ったがALCS第5戦からスタメンの座を奪取。レッドソックスの重要な戦力となった。

ボガーツは選球眼だけでなくメジャーのスカウトの予想を凌ぐ成長を魅せている。当初はショートとしては到底無理という評価だったが今では平均以上の守備という評価に変わっている。ポテンシャルの限界が見えないところが彼の魅力であり、今後の成長に目が離せない。