MVPやサイヤング賞のお話

ご存知の方も多いかと思いますが、MVPやサイヤングなどの各賞はレギュラーシーズンの成績のみを対象に投票されます。もちろん投票者も人間ですから、投票間近の印象が強く残る。ポストシーズンに出場した選手の方が得票を集めるのはあたりまえ。ですがやっぱりレギュラーシーズンとポストシーズンは別と意識されて投票している記者が多いと感じます。まあ逆に、ポストシーズンでブレーキになった選手は不利になるわけだが。

まあこの選出の方法はそれでいいと思ってはいる。弱いチームにいる有能な選手に対して平等だしね。でもポストシーズンも含めた総合的に評価するもっとメジャーなアウォードがあってもいいんじゃないかなと思ってね。特にピッチャーに関しては強く感じる。メジャーではピッチャーのことを”消耗品”というけど、ワールドシリーズまで投げたらかなり労働量は増えますよ。まあかといって2013シーズンの場合はポストシーズン含めてもカーショウとシャーザーのサイヤングに異論は無いけど。しかし、例えば今年の上原ってメジャーなタイトルはALCSのMVPだけ。過半数の人が2013シーズン最も偉大なクローザはコージだって思ってるはずなのに、将来的に歴史を振り返るとALCSのMVPにしか彼の名前を残らないわけだ。

まあ日本人の一ブロガーが何言ってもかわらないと思うが、将来振り返った時にもっと有用な賞が作られればなと思う次第です。

クレイグ・キンブレルの要求額がすごい。年俸調停の要求金額。

現地17日は年俸調停の重要イベントがありました。選手側、球団側双方が主張する金額が発表されています。この金額は重要でこのまま調停で持ち込まれた場合、どちらかの金額に決定される。つまり中間点での合意は無いということ。例年はほとんどの選手が調停を避けてこの中間地点の金額でサインしています。今年は調停までもつれるケースが出てくれるか?

また自分へのメモの意味も含めて気になる選手の金額をまとめてみました。(単位は$m)

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最も驚かせてくれたのはブレーブスの守護神、キンブレル。調停権取得一年目からいきなり$9mと巨額を要求して来ました。いま最も価値の高いクローザーであることに疑いの余地はありませんが、先発投手と比較して仕事量の少ないクローザーの価値をどう算定するかは難しいところ。今後の行方は要チェックといえる。

上記には載せませんでしたが、同じブレーブスの外野手のジェイソン・ヘイワードも気になった。ヘイワード側の要求は$5.5m。似たようなタイミングでメジャーデビューして同じナショナルリーグ東地区、マーリンズのジャンカルロ・スタントンは先日$6.5mで調停回避。ヘイワードは守備も素晴らしくて総合的にはスタントンに負けない良い選手だと感じるがスタントンより控えめの要求となっている。

それにしてももう調停が話題にのぼる時期になってしまった。ガーザ、ウバルド、サンタナ。それなりの先発投手が未だにFA市場に残っている。このままスプリングトレーニングに突入しなければ良いが、、、、、、

史上最高の打者、テッド・ウィリアムズ

最後の4割打者として日本でも知られているテッド・ウィリアムズ。もちろん海の向こうでも最後の4割打者として有名であるが、それより偉大な打者としても知られている。史上最高の野球選手といえばベーブ・ルース。これは日本人でも知っていることだが、テッド・ウィリアムズは史上最高の打者と呼ばれている。改めて彼の偉業を紹介したい。

最後の4割打者となると、アベレージヒッターのように聞こえるが、実際は強打のスラッガーである。通算本塁打は521本。それだけでも素晴らしい成績だが、内容はさらに驚べきものだ。生涯長打率.634の中身は下記の成績表から伺い知ることができる。

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Generated 1/12/2014.

テッド・ウィリアムズには二度の空白期間がある。これは怪我をしたからでは無い。一度目の1943年から1945年は第二次世界大戦。二度目の1952年、53年は朝鮮戦争に従軍したため。第二次世界大戦時は三冠王の直後であり、また2年連続本塁打王になった直後のことであった。24〜26歳と全盛期を3年間も失っている。朝鮮戦争に従軍した際は33、34歳のシーズンであったが、その後に2度の首位打者になっているからこの時もトップレベルの実力を2シーズンも失っているのだ。もし生まれる時代が違えば、生涯本塁打はウィリー・メイズに届いていただろうし、3000安打も記録していただろう。

成績表の数字に太字の部分が多いので、出場した際の中身の濃さが分かるはず。二度の三冠王、4度の本塁打王、4度の打点王、6度の首位打者に輝いている。

しかしそれ以上に注目すべきは三振の少なさである。成績表内の三振数の少なさに注目して欲しい。なんと70以上三振したことが一度も無い。こんなスラッガーがいるだろうか?四球が非常に多いのも特筆すべき点だ。生涯の被四球は2,021に対し、三振はなんと3分の1程度で僅かに709。

最高の打撃技術と四球を選ぶ能力を持っていたのでほとんどのシーズンで出塁率No.1。生涯出塁率.482はMLB歴代No.1。テッド・ウィリアムズは史上最もアウトになりにくい打者であったのだ。セイバーメトリクスが広まってきて出塁率の重要性が高まっている現代。テッド・ウィリアムズの偉業はますます高まっていると言えるのではないだろうか?

2014シーズンは得点が増えることを願う

皆様明けましておめでとうございます。
レッドソックスが優勝した2013シーズン。大活躍した上原投手は年末年始のテレビ番組出演で大忙し。普段地上波を観ない私ですが、出演番組をいくつか視聴しました。キャッチャーから首を振れというサインが出ることがあるというのが一番興味深かったかな。

ところでレッドソックスといえば2013シーズン最も攻撃力があったチーム。今年も攻撃力の高いチームの活躍を期待したい。ちょっとメジャーはピッチャー優位になりすぎてるかなと感じています。今年最初に紹介するのはこちらの記事。

レッドソックスのミドルブルックスと、ダイヤモンドバックスにトレードで移籍したトランボの類似点を指摘している。二人は今時珍しいタイプの打者。パワーはあるが打率が高くなく、かといって四球を選ぶ訳でもない。走塁も悪いところも似ており、セールスポイントはパワーだけ。

ところがこのパワーというツールは最近では貴重。昨シーズン30本塁打以上放った打者は14人しかいない。2012シーズンの26人から約半減。しかしエンゼルスはダイヤモンドバックスから意外な好条件を引き出した。ミドルブルックスは通年でレギュラーを維持したことは無いが、フルに活躍できれば30本打てるだけの力を持っている。

ミドルブルックスへの地元ボストンメディアからの評価は高くない。選球眼が良くないためチームカラーにあわないのと、ザンダー・ボガーツの存在があるため。ボガーツは今のところ開幕はショートで迎える見込みだが、昨シーズンの正遊撃手、スティーブン・ドリューがここに来て再契約する目が出てきた。GMも監督もドリュー獲得希望を公言しており、実現すればミドルブルックスはサブになる。年間30本のボテンシャルある選手なのでサブではもったいない気がするが。