史上最高の打者、テッド・ウィリアムズ

最後の4割打者として日本でも知られているテッド・ウィリアムズ。もちろん海の向こうでも最後の4割打者として有名であるが、それより偉大な打者としても知られている。史上最高の野球選手といえばベーブ・ルース。これは日本人でも知っていることだが、テッド・ウィリアムズは史上最高の打者と呼ばれている。改めて彼の偉業を紹介したい。

最後の4割打者となると、アベレージヒッターのように聞こえるが、実際は強打のスラッガーである。通算本塁打は521本。それだけでも素晴らしい成績だが、内容はさらに驚べきものだ。生涯長打率.634の中身は下記の成績表から伺い知ることができる。

2014-01-12 20.25 のイメージ

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Generated 1/12/2014.

テッド・ウィリアムズには二度の空白期間がある。これは怪我をしたからでは無い。一度目の1943年から1945年は第二次世界大戦。二度目の1952年、53年は朝鮮戦争に従軍したため。第二次世界大戦時は三冠王の直後であり、また2年連続本塁打王になった直後のことであった。24〜26歳と全盛期を3年間も失っている。朝鮮戦争に従軍した際は33、34歳のシーズンであったが、その後に2度の首位打者になっているからこの時もトップレベルの実力を2シーズンも失っているのだ。もし生まれる時代が違えば、生涯本塁打はウィリー・メイズに届いていただろうし、3000安打も記録していただろう。

成績表の数字に太字の部分が多いので、出場した際の中身の濃さが分かるはず。二度の三冠王、4度の本塁打王、4度の打点王、6度の首位打者に輝いている。

しかしそれ以上に注目すべきは三振の少なさである。成績表内の三振数の少なさに注目して欲しい。なんと70以上三振したことが一度も無い。こんなスラッガーがいるだろうか?四球が非常に多いのも特筆すべき点だ。生涯の被四球は2,021に対し、三振はなんと3分の1程度で僅かに709。

最高の打撃技術と四球を選ぶ能力を持っていたのでほとんどのシーズンで出塁率No.1。生涯出塁率.482はMLB歴代No.1。テッド・ウィリアムズは史上最もアウトになりにくい打者であったのだ。セイバーメトリクスが広まってきて出塁率の重要性が高まっている現代。テッド・ウィリアムズの偉業はますます高まっていると言えるのではないだろうか?