ホームプレートでの衝突プレーが禁止に

MLBがとりあえず1年間本塁での衝突プレーを禁止に。実験的な処置なのでまずは1年間。一部選手から反対の声が出ているので来年以降も適用されるかどうかは今年運用してみて反応を見るということでしょう。

この新ルールが出来た理由はもちろん衝突プレーが危険だから。選手を怪我から守るというのが背景にある。ここ数年で起きた大怪我といえば下記の二つのプレーを思い出す。痛々しいからこういうの苦手な人は見ない方がいいかも。

一つ目はジャイアンツのキャッチャー、バスター・ポージー が負傷したシーン。足が曲がっちゃてる。

二つ目はランナー側のスティーブン・ドリューが負傷したシーン。こちらもおかしな方向に足が曲がってる。

2人ともその後無事に回復。ポージーは驚きの回復力でMVPも受賞、ジャイアンツを再びワールドチャンピオンに導いた。ドリューはメジャーでも有数のショートへと復活。レッドソックスでワールドシリーズ制覇に貢献。2人とも幸いだったけどもちろんこんなおぞましいシーンは起きない方がいいわけで。

2014シーズンは衝突プレーが元でセーフになっても審判は判定をアウトへ覆すことが出来る。これだけならキャッチャー有利になることが懸念されるが、逆にキャッチャーがランナーの進路をふさいでアウトにした場合、審判はセーフへと判定を覆すことが可能に。

ここらへんのバランスが難しい。本塁でのクロスプレーは得点が入るか入らないか?流れを左右するゲームの重要なポイントであることが多い。ベースボールの中でも最もエキサイティングなシーンの一つ。厳しくしすぎて選手たちが自重しすぎればゲームの面白さが失われることになる。審判の裁量が増えるので判定を巡る議論も増えるだろう。1年でうまく起動にのるか?

基本的にはこのルールには賛成。やっぱり選手が怪我したり脳震盪を起こして欲しくないと願う。しかし審判が経験を積んでうまく判定を下せるようになるまでには時間がかかると予想する。どこまでが進路妨害でどこまでが危険なタックルなのか?微妙な時ほど危険な場面になりやすいからね。

選手やチーム関係者、評論家やファンが多いに議論してルールを作り上げて良いと感じる。選手の怪我が減り、面白さも失われないようにね。

カノーはシアトルでも打てるのか?

10年2億4千万ドル。どのくらいの成績を見込んだ金額なのだろうか?

カノーにこの金額の価値があるのかどうか?という議論をしたいわけでは無い。アメリカンリーグでは投手有利で有名なマリナーズの本拠、セーフコフィールド。打者有利のヤンキースタジアムから移籍してくるカノーの成績が下がる可能性は高い。ではどの程度まで下がっても良いのだろうか?まあこのオフ、実は「無能」ではと議論されているズレンシックGM、本当に無能だとすると、ヤンキース時代と同じ成績を見込んでこの金額を提示したのかもしれないが。

マリナーズで苦しんだスラッガーといえば、エイドリアン・ベルトレーが思い出される。2004年にドジャースで48本塁打を放ち、本塁打王のタイトルを引っさげてマリナーズと大型契約を結んだ。しかしマリナーズ時代は最高でも26本塁打。長打率が.500を超えることは無かった。マリナーズ時代に価値を落としたことは直後のレッドソックスと結んだ契約が物語っている。年俸は3分の2に下がってしまったが、レッドソックスで打棒復活。現在のレンジャーズでも長打力は健在で、メジャーを代表する強打の三塁手に戻っている。

カノーが本格的にスラッガーとしての地位を築いたのは2009年以降である。2008年以前は20本以上ホームランを打ったシーズンは無い。2009年にカノーに起こった環境の変化は何か?ヤンキースタジアムが現在の地に変更になったことがある。現在のヤンキースタジアムでは誰もが打球が飛ぶことを知っている。ホームランが出やすい球場から出にくい球場へ。年間20本前後に下がってもおかしくはない。ヒットも出にくい球場なので3割20本塁打くらいになるのではと予想する。

これまでヤンキースで淡淡とプレーしてきたカノーなので、プレッシャーの少ないチームに移籍したのだから大型契約の影響を受ける可能性は低いだろう。しかしパークファクターが成績にどういう影響を及ぼすのか?とても興味深いケースでは無いかと思う。